すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

『39窃盗団』


先日、映画を観てきました。
この記事を読んだのがきっかけです。

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ダウン症の弟を主役にした映画を撮った監督
押田 興将(おしだこうすけさん(43)

心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス
「刑法39条があるから障害者はムショに入らなくていい」と詐欺師にだまされ、
ダウン症発達障害の兄弟が泥棒の旅に出る。

公開中の「39窃盗団」

主役ダウン症の弟、清剛(きよたか)さん(35)=下。
もう一人の弟、大(ひろし)さん(37)=中=が知的障害者を演じた。

8人きょうだいの長男。
10代は家でも学校でも暴れまくり、みんなに嫌われた。
「話せるのは7番目の弟だけ。キヨだけが笑顔で自分を受け入れてくれた」
高校は数日で中退。
でも、清剛さんの養護学校の遠足や運動会にはいつも付き添った。

「清剛さんには夢のために努力する権利がある」養護学校の進路相談会で先生が言った。
「お前も自分のために努力しろ」と言われたように聞こえた。

日本映画学校(現日本映画大学)を卒業し、故・今村昌平監督の最後の助監督に。
「映画は人を描くものだ」と教えられ、「人とは何だ」と自問してきた。
初監督の今作で、障害者は詐欺師にだまされ罪を犯し、売春させられ殴られる。
犯罪を助長する、との評もある。

「ただ彼らの直面する現実と、それでも明日に絶望しない強さをコメディーで撮りたかった」

ラストシーンは15年前から決めていた。

「幸せとは何か。その答えは人それぞれでいいんだと、弟の笑顔が教えてくれます」

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※「39窃盗団」オフィシャルサイトhttp://39thankyou.com/index.html


終始明るいコメディタッチで物語は進みます。
じめじめとした障害者ものにしたくなかったという押田監督ですが、
その中でも、“現実” はこちらの衝撃などとは関係なく描かれ、胸がきりきりと痛いのです。
途中、クスッと笑っちゃう場面ではクスクスっとした後で急に涙が止まらなくなりました。
可笑しいのに悲しい、悲しくてやがて愛しい。
可笑しいのに腹立たしい。
そんな想いをずっと抱えながらです。
(何処に持っていけばいいのかいつもわからないです。)

監督が15年前から決めていたというラストシーン。。
自分は温かい気持ちで見終わることができました。

誠に勝手な推察ですが、
現実はどうであれ、やはり希望で締めくくろうとなさったのかと
そのことが、見ている間ずっと苦しかった自分には有難かったです。
しかも、その希望は単なる夢ではなく
力強い現実なのかもしれないと思わせてくれたのも嬉しかった。
そんなラストには
監督・脚本家として、だけでなく
いつも身近にいて弟さんを愛していらっしゃった一人の兄としての優しい眼差しも見える気がしました。
これも又、誠に勝手な自己満足の思い込みに過ぎないかもしれませんが。


この映画を観て、感じること、考えることはきっと様々でしょう。
だから、ここで自分の感想や考えを述べようと思いません。
(あ、いやいや感想は述べちゃってるかな(^^;・・)

ただ、この映画のこと知って欲しくて記事にしました。
一人でも多くの人が観てくれたらいいな。