すっとんきょうでゴメンナサイ

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中耳炎


先月の終わりから耳の調子がおかしくなった。
水の中にいるようにぼわ~んとして聞こえが悪い。
頭を動かすと耳の奥の方で何かがゴロっと動く感じがして、時にチクッと痛くもある。

1週間以上も前から耳の異変を感じていたのに
長女の引越しやちょっとしたイベントについつい後回しになり
昨日ようやく病院に行くことができた。
診断結果は “滲出性中耳炎”。
鼓膜の奥の中耳腔という部分に液体が溜まった状態で
だから耳の聞こえが悪くなるのだな。
年中鼻炎持ちで、まして花粉症のこの時期は鼻水がいつも以上に量産され
のどや鼻の炎症は半端ないものと思われ
それにより耳管の働きが低下して
本来なら排泄されるべき滲出液が貯留した、ということのようだ。
とりあえず薬を処方していただいたので真面目にのんで
一日も早く耳の違和感を取り払いたいと思っている。


ところで
自分にとって“中耳炎”と言えば
夜突然に我慢し難いほど痛くなり
次の日慌てて耳鼻科に駆け込むと、これまた身もよじれるほどの痛い処置をされたという
痛いばかりの記憶である。
(それは“滲出性”に対し正しくは“急性化膿性中耳炎”と言うことを今回知った)

幼い頃のこと、
毎年の夏に必ずと言っていいほど一度は中耳炎になった。
たいていが海やプールで泳いだあと。
家族や友だちと同じように泳ぎ遊び
人よりもたくさん水を飲んだとか吸い込んだとか
炎症を引き起こすようなことをした覚えは無いのに
その激しい痛みは夏の決まりごとのように
ある日の夜にいつも突然襲ってくるのだった。
熱を持ちジンジンと痛む耳の奥を手のひらで押し付けるようにして夜を明かすと
朝一番でいつもの耳鼻咽喉科病院へ。
今年もまた来たなふうの初老の先生はハイハイといつもの手順で処置を始める。
自分の記憶が間違っていなければ
まず鼓膜にメスを入れて(これはほとんど痛くない)
次に、先に綿を巻いた細長い器具で中から膿をズルズル~~と引き出した。
このズルズル~~がとてつもなく痛かったのだ。
そして膿といっしょにその奥の何か
例えば脳みそ的な何かまで引っ張り出されるかのようだった。
思わず「ヒッ!」と口走り、涙が何粒かこぼれて
毎度のその儀式は終わるのだった。

それは小学2年生まで続き、しかし唐突に終わることとなる。
その夏休み、市民プールの水泳教室に参加。
1週間のスケジュールで、案の定途中で中耳炎になるのだが
どうしても練習を休みたくなくて
鼓膜にメスを入れた翌日も親の反対を押し切りプールに飛び込み
それが良かったのか、いや良かったはずはないのだろうが
そんな無鉄砲極まりない行動の後
海やプールでどんなに水を飲んでもどんなに鼻から水を吸い込んでも
50歳代半ばの今まで中耳炎になることは無かった。
不思議であり、そしてまた何の根拠も無いが
ある意味、荒療治が功を奏したとも言えると密かに思っている。


子どもの時のそれとは少々異なるようだが
46年ぶりの“中耳炎”に何やら懐かしさも覚える。
あの時は痛かったなぁと
痛さをこらえていた幼い自分自身を思い出すのだ。

“滲出性中耳炎”についていろいろ調べていたら
「3~10歳くらいの小児や学童、および高齢者に多く見られる病気
という記述を見つけ
内心へこんだりもしたけど・・・。