すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

いまがどんなにやるせなくても


若い頃から
春先にそもそも体調が今ひとつだったのは
あれは「花粉症」だったのかもしれないな
そんな症状があることを知らなかったけど

ここのところ
何やかやと病院に通っている
生活習慣病の持病があり何年も定期的に通院している夫のことを
おのれの不摂生の結果だと内心責める気持ちが少なからずあったのが正直なところ
なのに、今や自分自身もこうしてあちこちガタついている
そんなガタついた妻を夫はいたわってくれるわけで
意地悪だった自分をこっそり詫びる今日この頃

お日様の光でぬくぬくと暖まった通院途中の車内
何を考えるでもなく、ただゆったりと体の中にその温もりが充満してくるのを感じる
少し前までは仕事や趣味にただただ忙しく
車を走らせる時には常に身も心も先を急いでいた気がする
そんなことがちょっと嘘のようにも思えて
ふっと胸の間を物哀しい風が抜けていった

歳をとったなぁ
いろいろなものとさよならしてきた
歳をとることに抗おうとは思わないけど
失くしたものがあることも事実
それがやっぱりどうしたって、少しは寂しいんだな

ただ、
この先に嬉しいことや楽しいことやあったかいこと明るいことが待っている
そんな幸せに出会うことができると
どうしてだかそんなふうにも思えるんだな




車の中で久しぶりに聴いた桑田さんの歌声に
泣きそうなくらい温かい気持ちになった


二度とあの日の僕には
戻れはしないけど
瞳(め)を閉じりゃ煌めく季節に
みんなが微笑(わら)ってる

ひとりぼっちの狭いベッドで
夜毎 涙に濡れたのは
ビルの屋上の舞台(ステージ)で
巨大(おおき)な陽が燃え尽きるのを見た

現在(いま)がどんなにやるせなくても
明日(あす)は今日より素晴らしい
月はいざよう秋の空
“月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)”
Come again,please.

by 桑田佳祐 「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」より


いまがどんなにやるせなくても
明日は今日よりすばらしい