スーパーの花売り場
特売の中に見かけた白い花
ふと懐かしくなって買いました。
幼い頃、
社宅住まいの小さな庭で咲いていた花です。
庭いじりの好きな母が
お隣さんとの境にある板塀に沿って植えていました。
大好きなのよと母は言いましたが
私には地味で何の特徴も無い花に思えて
やっぱりチューリップやパンジーたちの色とりどりの明るさに心惹かれたものです。
今はこの花が好きだと言った母の気持ちがわかります。
清純そのものの真っ白な花びらや大人しく可憐な姿が
こちらの心まで清々しくしてくれるようです。
そういえば、
母の庭には夏になると真っ赤なケイトウの花が並びました。
大好きなのよとやはり母は言っていましたが
派手な色合いでビロードの感触のような花びらが
奇妙な形(その時はそう思えたのです)に咲くその花も
実はあまり好きではなかったなぁ。
一年中様々な花が咲いていた庭で
母は洗濯物を干し
父と兄はキャッチボールをし
私は皆の間をくるくると走って
洗濯物の向こうとこちらを行ったり来たり。
父の強い球を受けていつも泣きべそをかいていた兄。
あの時の私には
ずい分広く感じられたけれど
きっと猫の額のような庭だったと思います。
でもお日様の光だけは存分にいただいて
草花も木々も
それから私たち家族も共に過ごしていた懐かしい光景がそこにあります。
フリージアも