すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

寅さんの伝言


前の記事書いてから
いきててよかった~ いきててよかった~
いきててよかった~ そんなよるをさがしてるぅ~♪

つい 口ずさんでしまう




少し前、
『寅さんの伝言』というタイトルで
毎週日曜日、朝日新聞に連載されていたコラムを楽しみに読んでいた。

映画男はつらいよ寅さん(渥美清さん)と共演したマドンナたちをはじめ、
シリーズに出演したお馴染みの俳優さんたち。
それから山田洋次監督やスタッフ。
さらに地方ロケで出会った現地の人たち。
そんな人々が寅さんとのエピソードや寅さんへの思いを語っていた。

寅さんの映画は、見るといつも泣けてきた。
寅さんの飄々とした物言いや、周囲とのハチャメチャがおっかしくて、
お腹の真ん中から笑っちゃうんだけど、
それを見ていながらの切なさも半端なくて、
ちょっと嗚咽しちゃうくらい泣かされることもあった。
古くさいけど鮮烈で、
まともじゃないのに正しい。
そんなことをいつも感じた。
そしていつも、温めてくれた。

実際の渥美清さんは少しばかり違う印象だったようだけど、
新聞に書かれている彼の数々のエピソードからも、
寅さんの、やっぱりあの寅さんの姿が思い浮かんできて、
鼻の奥をツンとさせながら、しみじみと読んだ。

ある回は、寅さんのいくつかのシリーズに出演した赤塚真人さんだった。
第38作「知床慕情」の際、
ロケ地で夕日を見ながら「俺は何のために生きているのかなあ」とつぶやいた赤塚さんに
渥美さんは言ったそうだ。

「何て言うかな、ほら、あー生まれてきて良かったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか

 


だね
そうだね、寅さん
それでいいんだね

何のために生きているかって
その大きな何かを探そうとしたり
その大きな何かが欲しくてモヤモヤしたりするけど
それが見つからないと生きている意味が無いなんて
焦っちゃったりするけど

生まれてきて良かったな
生きてて良かったな
そう思うために生きてるだけで十分、って考えたら
気ぃ、楽になるわ~

だって、
小さいことだけど 生きてて良かったなと思うことならちょいちょいある。
美味しいものを食べた時、
いい風景を見た時、
人と心が通じ合ったなぁと感じた時、
エトセトラ、エトセトラ・・・。

辛いことやしんどいこともいっぱいある。
そっちの方が多いかもしれん。
それでも、その合い間に
生きてて良かったなあと思えることにたま~に出逢いながら
人は生きる。
それで人は生きられる。

さては、人生とはそういうものか。
そう考えたら肩の力抜けるわ~

それで、
あ~生きてて良かった、と最期に思いながら目を閉じられたら
それはもう幸せっていうものなのかも。




何のために生きるのか
生まれてきて良かったな
生きてて良かったな

たとえささやかであっても
それを感じながら過ごしていきたい

そう感じられる自分でありたい