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『それでも夜は明ける』

 
映画それでも夜は明ける 観ました。
2014年度アカデミー賞作品賞脚色賞助演女優賞を受賞した作品です。
 
 

 
 
多少のネタバレではありますが、
公式サイトでの予告編、多分劇場でも流れていたと思うので載せさせていただきます。
 
 
 
感想は。。 
まずは、 重い。。 重いの一言。
 
スクリーンを観ながら、これほどの重苦しさに体中が占拠されたのは初めてかもしれない。
それでもって、胸の奥やお腹の中まで引っ掻き回されるようで、いたたまれなくなる。
 
自分の中で、『それでも夜は明ける』という邦題からは
それでも最後には何かしらの光が見える、というようなイメージを受けていたが、
見終わった後に残ったのはやっぱり重苦しさでしかなかった。
あまりにも残酷、且つ衝撃的な、しかしそれが紛れもなく事実であったという現実に激しく打ち抜かれた感覚が心に残って
それでも夜は明ける』というタイトルがなんだかそぐわなく、お決まりの、取って付けたものであるように思えたほど。
 
原題は『12YEARS A SLAVE』
SLAVE とは「奴隷」
まさに奴隷としての12年間の真実。
その無限にも思えた過酷な日々をシンプルに表すそのタイトルの方が、ふさわしくも思える。
 
物語の主人公は、愛する妻と幼い子どもたちに囲まれ、幸せな日々を送っていた男。そんな男が、ある日突然誘拐され、家族も、財産も、名前さえも奪われ、遠く見知らぬ地へ奴隷として売られてしまう。これはすべて、アメリカで本当にあった事件。自由の権利を得ていた黒人音楽家ソロモン・ノーサップが、1841年から12年間、奴隷として送った人生の回想録の映画化だ。(公式サイトより)
 
 
どんなに重苦しくてもそれが真実なのだ。
決して目を背けてはいけないことなのだ。
かつてあった現実なのだ。
そのことを知らなければいけない。
そのことをしっかりと噛み締めなければいけない。
この作品が訴えているのも、ただそのことのように思う。
 
ストーリーの中で、奴隷となった人たちが救いを求め、神に捧げ歌うゴスペルミュージックが流れる。
ああ、こうしてこの音楽は生まれてきたのかと。
人間としての何もかもを剥奪された状況の中で、生まれるべくして生まれた、せめてもの人としての叫びだったのかと、
改めて納得させられる思いがした。
 
 
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ソロモン・ノーサップ氏が記した原作は、南北戦争が勃発する8年前の1853年に出版されベストセラーに。
12年間に亘る生々しい奴隷生活が描かれ、従属するとはどういうことかが暴露されています。
その後、南北戦争における北軍の勝利により南部の奴隷制度は廃止され、
1865年アメリカ合衆国憲法修正第13条成立で、その歴史は終わったことになっています。
 
黒人監督の作品が作品賞を受賞するのはアカデミー賞の歴史上、初めてだそうです。
 
奴隷制は映画界ではあまり扱われてはきませんでした。ですから私は、このテーマが映像化される必要があると考えていました。もし、私たちが過去を知らなければ、未来を築くことはできません。ですから私は、160年前に誘拐され、奴隷にさせられたソロモン・ノーサップの物語『それでも夜は明ける』を制作したのです。
作品が注目され嬉しいのですが、それ以上にソロモン・ノーサップの体験が150年を経て、より多くの人に知ってもらえることにワクワクしています。
『奴隷及び大西洋間奴隷貿易犠牲者追悼国際デー(3月25日)』を記念する活動で本作品が国連で上映されるのは、私にとって大変な名誉なことです。
残念ながら、奴隷制は過去の話ではありません。現在、2,100万人が奴隷として扱われていると聞き、驚きとともに恐怖を感じます。私たちは過去から何も学ばなかったのでしょうか?
この映画が、今日における奴隷制の被害者の窮状に理解に役立てることを望みます。」
(「国連広報センターFACEBOOK」より)
 
 
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ところで、
スティーヴ・マックィーンと言えば、我々の世代は彼でしょうか。
 

 
私はまだちょいと子どもでしたが、彼のセクスィーさにはキューンとなりましたね
『荒野の七人』『大脱走』『パピヨン』『タワーリング・インフェルノなど、どれもカッコ良かったなぁ。
懐かしいです。
あまり有名ではないかもしれないけど、昔テレビで見た『マンハッタン物語』も心に沁みる名作だと思っておりまして。
それで今ふと、モノクロ映画だとずっと思ってきたけど、
考えたら、当時の我が家のテレビが白黒だったのかもなぁ・・、って