すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

『氷の世界ツアー 2014』


昨夜、井上陽水さんのコンサートへ。

母校の学園祭で、彼のアコースティックなステージを観て以来だから、もう30数年ぶりにもなりますか。
あの時、たまたま空いていた一番前の席で、臨場感ビンビンで聴いた陽水の歌声。
迫力と透明感と摩訶不思議な艶っぽさに魅了されたことを今でも覚えています。

さて、前記事でも書きましたが、
今回のツアーは題して “氷の世界ツアー 2014”
40年前にリリースされた、あの記録的な名盤『氷の世界』の熱狂を再び、ということが目玉でもありまして。
自分もそれに大いに惹かれまして、です。

ツアーも始まったばかりだし、こういうのもネタバレって、これから行こうかなっていう人にはあんまり嬉しくないものだよねぇ
だからちょっとだけ、軽く

『氷の世界』 すべて、歌ってくれます。
それも、アルバムの順番通りに。(だったと思う)

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会場は、自分と同世代、もしくは少し先輩の方々でイッパイでした。
白髪頭や少しばかりうっすらとなった頭がステージを向いて並んでいるのを後方から目にしながら、
ウン十年前の少年少女たちを思うわけでして。
勿論、自分も含めてです。
懐かしい歌、それを歌う陽水の声を聴かせてもらいながら、いろんなことを思い出しました。


井上陽水という人をきちんと知ったのは高校に入学してすぐの新入生歓迎大会で
3年生が歌う「東へ西へ」だったなぁ、とか。
古い体育館のステージで男の先輩が二人、アコースティック・ギターをかき鳴らし、叫ぶように歌ってくれた。
すぐ陽水に夢中になって、彼のアルバムを次から次へと買って揃えては、毎日毎日毎晩毎晩、聴いて寝て起きて聴いた。
部活の帰り道、友だちと「夢の中へ」をハモりながら歩いたこと。
文化祭の前、コンサートの練習をしている先輩たちの様子を音楽室の窓から盗み見していたら、
「帰れない二人」が聴こえてきて、一緒にいた友だちと泣きそうになるくらい心が震えて感動したことも。


あやとり糸は昔
切れたままなのに
想いつづけていれば
心がやすまる
もう すべて終ったのに
みんなみんな 終ったのに

偽り事の中で
君をたしかめて
泣いたり笑ったりが
今日も続いてる
もう すべて終ったのに
みんなみんな 終ったのに

深く眠ってしまおう
誰も起すまい
あたたかそうな毛布で
体をつつもう
もう すべて終ったから
みんなみんな 終ったから


『氷の世界』の最後の曲「おやすみ」を聴きながら、
あの頃の自分は今の自分を到底想像出来なかったなあ、なんてことを思うと妙に感慨深くて、
それこそ、あたたかい毛布に包まれるようにしみじみとしました。

 

余談ですが、
不思議なんですけどね、
『氷の世界』の楽曲を聴いていて、懐かしいのはすごーく懐かしく、嬉しいのもすごーく嬉しいんだけど、
自分の中で想像していたような感情の高まりが思ったより控えめで。
一つ一つのメロディも歌詞も、もちろん陽水の歌声も本当に素敵なんだけど、
それを落ち着いた感情で、ある意味冷静に、分かりきったものとして聴いている自分がいて、
ちょっと意外だった。
自分のことだから、みっともないくらい興奮するかと思ったから。
どうしてかなぁ?と考えたんですけどね、

ああ、
このアルバム、若い頃に呆れるほど聴いて聴いて聴き倒しているから、
曲の新鮮味という意味での自分の中での興奮度数が、今や、少ないのかなって。

つまり、
それぐらい『氷の世界』自分の中に染み込んで馴染んでしまっているということなのかなって。

※これ、全然悪口じゃありませんので。 あしからず。。