すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

命の別名


知らない言葉を覚えるたびに
僕らは大人に近くなる
けれど最後まで覚えられない
言葉もきっとある

何かの足しにもなれずに生きて
何にもなれずに消えて行く
僕がいることを喜ぶ人が
どこかにいてほしい

石よ樹よ水よ ささやかな者たちよ
僕と生きてくれ

くり返す哀しみを照らす 灯をかざせ
君にも僕にも すべての人にも
命に付く名前を「心」と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも


たやすく涙を流せるならば
たやすく痛みもわかるだろう
けれども人には
笑顔のままで泣いてる時もある

石よ樹よ水よ 僕よりも
誰も傷つけぬ者たちよ

くり返すあやまちを照らす 灯をかざせ
君にも僕にも すべての人にも
命に付く名前を「心」と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも

by 中島みゆき  「命の別名」より


「聖者の行進」(1998年)というテレビドラマ の主題歌でもありました

この歌を聴くとき
ぐぅっと胸に迫るものがあって
その痛みで息苦しくなるほど

何度も何度も聴いて
でも、
みゆきさんの伝える言葉が深くて
未だに、そのメッセージを
明確に自分の言葉にして掴み切れないもどかしさがあります
こういうことなのだと
多分きっとこれからも、簡単に言い表すことなど出来ないでしょう
そうなのだけど、
いつも歌詞のひとつひとつが否応もなく沁みて
体中で泣きたい思いに駆られるのです


平等とは名ばかりの
理不尽がまかり通る世の中で

けれど
「命」ある人には
皆等しく「心」がある

何という影響も与えず何という何にもならず
その姿は見えぬかのように生きている人も
声を上げることなくただただ笑顔でいる人も

「命」あるすべての人は
その体の中に唯一無二の「心」を持っている

それは
どんな誰にも貶められず
どんな誰にも阻害されるものではないのだと

そのことを忘れてはだめなのだと

そんな思いが溢れて胸が熱くなります