すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

「ん」の入る言葉

 
親たちの世話で家を留守にすることが多くなり
新聞の定期購読を止めた。
 
目が疲れやすく長い読書がきつくなってからは新聞を読むことが楽しみだった。
だいたいは斜め読み。
あっと思うものはじっくり読んで。
そんな中でも、前々回に記事にした益田ミリさんのエッセイ+イラストは
二週間に一度の超超お楽しみだった。
だから新聞を読めなくなって何がサミシイって
ミリさんのそれが読めないのが寂しかった。
 
ところが、
なんと愛知の親の家に行ったらあるじゃあないの。
同じ新聞で、しかも土曜日のそのコーナーは益田ミリさんの回だった。
 
 
 
『オトナになった女子たちへ』益田ミリ
 
「ん」の入る言葉は?
 
ミリさんが小学一年生の時
一番楽しかったのは「ひらがな」だったそう。
国語の時間、若い男の先生が黒板にゆーっくりお手本を書いてくれる。
 
ほら、ここはこーんなふうにまがって、最後はくるん。
な、みんな、面白いだろう?
 
それが本当に面白そうで
黒板にあんなに大きく字が書ける先生がうらやましかったそうだ。
なんだかミリさんぽくてウフフである。
 
わたしには、ひらがなにも性格があるように思えた。
「あ」の行はきちんとしている。勉強ができて、なんでも一番の人々だ。
「か」の行は、元気がある。かくかくしていて、四角い感じ。強くて力持ち。
一転、
「さ」の行は、おとなしくて、おしとやか。
色でたとえるなら、きれいな水色。
さしすせそ、という響きも、水の流れのようではないか。
ちょっと憧れのグループだった。
 
わかる!わかる!
同じ!同じ!
ワタシもその感じ、感じてた!
特に、「さ」行なんてすっごくわかる!
 
けれど、一番すばらしいのは「ま」行の人々である。
どの行よりも、優しく見えたのは、
むろん、自分の名字が「ま」で始まるせいである。
まみむめも。
全体的に丸みがあってかわいらしい。
自慢でならなかったが、誰にも自慢はしなかった。
 
あ~~~わっかるなあ~~~~
ちなみに、ワタシの名前も「ま」で始まる ( ´艸`)
 
 
「ん」という字が入る言葉を書いておいで。
ひらがなの勉強のクライマックスにこんな宿題が出され
ひとつしか思い浮かばなかったミリさん。
 
翌日、
クラスメートの女の子が、ノートに「ぱんこ」と書いているのを見て焦った。
わたしは「んんこ」と書いていた。
先生はわたしのノートを見て「ははは」と笑い、
赤ペンで最初の「ん」を「う」に変え、マルをくれた。
 
 
小学一年生のミリちゃんは
きっとこの先生が大好きだったろうなと思うのである。
(*´∀`*)