すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

カラオケに行って

 
このところ、ずーっと雨。
洗濯物が外に干せず、部屋の中にずらーっとぶら下げているのだが
タオルなどはスッキリと乾かず、どうしても生乾き臭が・・。
部屋干し用洗剤を使っており、ほわ~んと甘い香りが家中に充満しているのも毎日になるとけっこう鼻につく。
お日さまの匂いと温もりが恋しい。
お日さまの力は偉大だと改めて思う。
 
先日、サービス付き高齢者住宅、いわゆる“サ高住”に住む両親の顔を見に1泊2日で出かけてきた。
遠く離れているので頻繁に行くことが出来ず、近くに住む兄が頼りなのだが、自営業で多忙。
あまり訪ねて来ないと母が言うものだから、途端に不安になる。
 
・・・・・
 
現況を見て
結果、心配ばかりが募り、帰って来た。
 
何も言うまい。
言いたいことは山ほどあるけど
言ってはいけないと心に閉じ込める。
 
 
くさくさとした気持ちを吹き飛ばしてやろうとカラオケに行った。
 
最近のお気に入りは、伊勢正三さんと山本潤子さんがデュエットした「青い夏」
 
拓郎にも「蒼い夏」という作品があり
夏空の下、明るくほのぼのと穏やかな情景を歌っているが
正やんと潤子さんの「青い夏」はちょっと違って、恋のお終いの歌。
若いふたり(多分)の淡い恋の終わりが正やんの紡ぎ出すメロディと相まって、何ともセツナイのだ。
自分の高校時代なんぞを思い浮かべながら、ひとり、ジンとしている。
 
 
あの日自転車で通った道は
遠く感じた
古い校舎を見下ろす丘で
約束もなく育てた恋が
町を離れる
・・・それだけのこと
 
青い夏 風が近づく
ミカンの白い花
好きなのに離ればなれを
ずっと うらんであげる
 
「青い夏」より  by伊勢正三
 
 
ただ、この詩。
好きなのに離ればなれになることをずっと恨む・・、ならまだわかるけど
うらんで あげるって、どういう感情なのかしらん・・?と思う。
 
 
 
重苦しい気持ちを吹き飛ばしたくてカラオケに行ったけれど
カラオケが好きだった父の顔が浮かんで、その度、やるせなくなった。
 
いかんいかん!
くよくよしとったらイカン!
元気にいこうと気を取り直し、お決まりの「帰ってこいよ」を歌ったら
私の歌に喜んで手拍子していた両親のことがまた思い出され、喉が詰まった。
 
もうあまり楽しいことなど出来ていないのだろうな
ならば、何のために長生きしてきたのだろう
 
別れ際、施設のエレベーターの前で頭を下げた父の姿が今も残っている。