すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

夫がリタイアして

 
先日、気心の知れた仲間との忘年会でのこと。
同世代、子どもたちは皆成人している。
その中で夫が仕事をリタイアしているのは私だけ。
「ねえ、いつも一緒じゃ大変じゃない?」と、まあそういう話になった。
「食事を毎度毎度作るのって面倒じゃない?」とも。
 
確かに、夫が外で働いている頃は昼食など自分だけなら適当でいいし
友人とランチなんてことも誰にお伺いすることもない。
昼間の時間も何にも縛られず自由に使えていた。
仕事や親の介護に振り回されていた頃はそうもいかなかったが
仕事を辞め親の介護が落ち着いてからは、趣味に励み、昼寝を楽しみ
夕方になればどっこいしょと夕飯の準備に取り掛かる。
そんな感じだった。
 
それが夫のリタイアに伴い、「お昼も作んなきゃイケナイんでしょー」というのが友人たちの不安材料なのだ。
 
「いや、お昼ごはんは各自だから」
「朝ごはんは朝ドラ観ながら一緒に食べるけど、お昼は各自のスケジュールに合わせて、各自考えるっていうのが基本。一緒に外食することもあるけどね」
「なんなら、その日の疲れ具合、お腹具合によっては夕食も超テキトーに済ませる」
 
「だよねー。じゃなきゃこの先何十年になるかわからないのに、続かないよねー」と友人。
「子どもの為ならご飯作れるんだけど、旦那の為に作るのはもうメンドイ」と毒も吐く。
 
 
夫も私も今や同じ立場のプータロー。
夫は家族のために外で働き暮らしの糧を稼ぐ役目。
私は家族のために内を守り暮らしを支えていく役目。
というアリアリとした構図はもはや無いと言っていい、とさえ思っている。
だから、家事も雑事も外の事も、夫としてとか妻としてとかそういう意識を持たず
老年に差し掛かった一人の人間として同じ立場で取組んでいく、というのが密かなモットーである。
 
ただ、苦手、得意はどうしてもあり
例えば食事の支度、片付けなどは夫にやってもらうと、こちらも内心ストレスに感じる事があるので
その方面は私がやることにしている。
その代わり掃除関係は夫がやってくれる。これがなかなかマメな仕事ぶり。
また、外とのお付き合いや交渉事は夫の得意分野なのでお任せし
それに伴う細かい事務作業や経済の遣り繰りは私が。
 
夫がリタイアし、家に居るようになって9か月。
試行錯誤、時にはぶつかりながら、なんとなく適当なペースが掴めてきた気がする。
あと、夫の実家に月に10日間くらい夫一人で行っているのも
お互いのガス抜きに良いのかな
 
この先はどちらも老いていく。
これからどれだけ付き合うかわからない相手と
出来ればわだかまりなく、さらっと気持ち良く過ごしていきたい。
その為にどうしたらいいのか、人、夫婦、それぞれなのだと思う。
 
私たちの場合、とりあえずこんな感じ。