すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

「この広い野原いっぱい」

 
朝ドラ 半分、青い。
怒涛の展開に目が離せない。
ヒロイン鈴愛は離婚。
シングルマザーとなり梟町の実家に戻って来る。
幼なじみ、律との再会。
鈴愛と律の第二章は如何に・・。
 
そんな中の、とあるシーン。
 
律の母親、和子さんがピアノを弾きながら歌う
「この広い野原いっぱい」
律の父親、弥一さんもそれに合わせて口ずさむ。
 
和子さん役の原田知世ちゃんの透き通る歌声と
弥一さん役の谷原章介さんのソフトで甘い歌声。
 
素敵なデュエットにほっこりとさせられながらも
ふと蘇るのは、ほろ苦い想い出。。
 
 
中学生の頃
私と「ひろし」は仲の良い友だちだった。
その後、親の転勤で転校した私の元に「ひろし」から突然手紙が届く。
 
「会えなくなって寂しいよ」
 
「ひろし」らしいあまりにも素直な文面に
こちらも素直に嬉しかった。
「じゃあ」と文通を始めた。
 
お互いまだ子どもで
「恋」とか「愛」とかどこか遠いお話のよう。
それでも、
時には幼稚な言葉で想いを伝え合ったりした。
「ひろし」は手紙の中に詩をしたためてくれたりした。
照れくさかったけど、まるで大人の恋をしているようでときめいた。
 
しばらくやり取りした後のこと。
転校前の中学の友だちが久しぶりの電話で
 
「ひろしさぁ、○子と付き合ってるみたい」
 
友だちは、私と「ひろし」が文通して
ちょいとイイ感じになっていることを知らなかった。
 
「ふーーん」
 
そう応えながら、心が傷つくのを感じていた。
 
ま、そういうことならそれでもいいか
 
そう自分自身をなだめて
それきり手紙を書くのをやめた。
 
 
そんな「ひろし」が送ってくれた詩が
「この広い野原いっぱい」だった。
 
 
この広い野原いっぱい 咲く花を
ひとつ残らず あなたにあげる
赤いリボンの 花束にして
 
この広い夜空いっぱい 咲く星を
ひとつ残らず あなたにあげる
虹に輝く ガラスにつめて
 
この広い海いっぱい 咲く舟を
ひとつ残らず あなたにあげる
青い帆に イニシャルつけて
 
この広い世界中の なにもかも
ひとつ残らず あなたにあげる
だから私に 手紙を書いて
 
手紙を書いて 
手紙を書いて
 
 
 
 
たくーーー!