すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

「おとうさんがいい」


次女の夫が入院し手術をすることに。
入院期間は手術を挟んで4日間。
その間、幼い男の子二人を抱える次女に手助けを頼まれた。

と言っても、
2回の出産時も私たち親を当てにすることなく
夫婦二人で乗り切った彼らなので
今回も大したことは求められず
孫たちの遊び相手程度。
それでもじいじとばあばは
娘が少しは楽が出来るように
孫たちが少しでも楽しく寂しくないようにと
務めを果たすべく頑張った。

娘しか育てたことが無く
男の子のやんちゃぶりに振り回されるばかりだが
あどけない無垢な表情や
たどたどしくもこちらの心をくすぐるような言葉一つ一つに
愛おしさは増す一方。
体力的には大変だが
孫たちが甘えてくれることが本当に嬉しいじいじとばあばである。


昨日、次女の夫のお見舞いに次女と孫と出かけた。
孫たちは二日ぶり。
お父さんの姿を見つけた上の孫はじいじの手を振り払って駆け出す。
ばあばに抱かれた下の孫もお父さんのいる方へ行こうとして精一杯体を伸ばす。
お父さんの大きな胸に抱かれた孫たちはホッとしたような実に幸せな顔をした。
お父さんの暖かい懐を奪い合う孫たち。
手術後の体調を気遣ってじいじが大好きな上の孫にじいじの所においでと言っても
「おとうさんがいい」と顔をうずめてみせた。
そんな様子にばあばもホッと幸せな気持ちになれた。


気遣いの出来るしっかり者だが
しっかりし過ぎて少々口うるさいところも否めない次女である。
実の母親である私も彼女にビシビシやられては凹むこと多々。
大らかで細かい事にあまりこだわらない自分の夫に対してもその指導は厳しい。
こんなことがあった、あんなことがあったと夫への不満や喧嘩したことを聞くと
大丈夫かしら・・と不安に思う。

けれど、昨日。
孫たちがどんなにお父さんが好きかを目の当たりにして
彼が息子たちにしっかりと愛情を注いできたことがありありと伝わり
何だか安心したのである。
次女にとっていろいろ文句もある夫なのかもしれないが
子どもにとって優しく、大きく、あったかい父親であること
先ずはそれが何より嬉しく有難かった。
そして、
やはり我が子を心から愛する次女にとっても
そんな父親、そんな夫であることが先ずは幸せであるのだろうから
次女も結局、心の奥底ではそれをわかっているのだろうから

大丈夫。

そう思えたばあばだった。