すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

『大草原の小さな家』


NHKBSプレミアム、毎週土曜午前8時30分から放送されている
(BS4Kでは毎週水曜午後9時30分~)
大草原の小さな家
再びはまっています。

原作はローラ・インガルス・ワイルダーによる半自叙伝的小説シリーズ、全9作。
西部開拓時代のアメリカを生きたインガルス一家の物語で、
原作者のローラはインガルス家の次女。
テレビドラマではミネソタ州のウォルナットグローブという町が主な舞台となり、
インガルス一家が様々な困難を乗り越える姿を通して、
家族愛や人間愛の尊さを描いています。

1975年~1982年にもNHKで放送されており、
当時もとても楽しみに観ていました。
ドラマから受け取る溢れんばかりのハートフルな感動は当時と変わらずですが、
ちょっと変わったかもと思うのはドラマを観る視点。
あの頃、自分はまだ子どもの立場だったから、
父さん、母さんへの目線は子どもからのそれで、
頼もしい父さん、優しい母さん、だけであったように思う。
けれど今回、
夫としてのチャールズ(父さん)、妻としてのキャロライン(母さん)の姿を
今の自分の立場で再び観ると、
まるで初めて観たかのように感じ、思うこと多々なのです。

西部開拓時代、自らの力だけで荒地を開墾し、家を建て、家族を守る。
妻を愛し、子どもたちを愛し、
困難な事があっても常にユーモアを忘れず、家族を引っ張っていく。
力強く頼もしく明るい夫。
なんて素晴らしい夫かしらとチャールズにときめかずにはいられない。
しかも彼は男気があり、友人を助け、困った人を助け、
真っ直ぐな誠実さで自ずと誰からも信頼される。
夫としてだけでなく、男としても最高なのです!

そんなチャールズが愛する妻、キャロラインも本当に素敵。
厳しい暮らしの中で家事や農作業をしっかりこなすのはもちろん、
常に明るく優しく夫を支え、愛情深く子どもたちを育む。
全くもって、妻の、母の鏡!
一方で、
自分や愛する家族、友人の誇りを踏みにじろうとする言動に対しては憤り、時に闘う。
そんな純粋で生一本なキャロラインもチャールズは愛してやまないのです。

キャロラインのように完璧で素敵な奥さんにはなれないなぁ
だとすると、チャールズのような素晴らしい夫とは結ばれないかぁ
キャロラインだからチャールズ、
チャールズだからキャロラインなのねぇ
なんてことも。。


ところで、このドラマ
ラストシーンが短い、と少し前に気づきました。
大体50分間のドラマですが、ラストシーンは5分程度かなぁ。
起承転結で言えばギリギリまで“転”が食い込み、
観ているこちらはドキドキして盛り上がる。
そうして最後5分くらいでいよいよ“結”の場面となるのだけど、
それまでの盛り上がりに比べると思いのほかあっさりとお話が終わる。
結果説明をするようなセリフを並べてラストを締める日本のドラマに慣れていると、
呆気ないほど。

しかしです!
その短い時間に一気に感動を味わうこととなるのです。

ラストで交わされる数少ないセリフ。
説明的でもなく、直接的でもなく、
無駄を省き、本当に必要な言葉だけで、
且つ、ウイットに富む言い回しで描かれるシーンは
センス良く、清々しく、また愉しい。
登場人物も、観ているこちらも、
心情的な部分も含めて、その短いやり取りで全てを察するのです。
加えて、
肩を抱き、握手を交わし、アイコンタクトで微笑み、頷き、
言葉が無くてもお互いの思いを通わせる彼ら。

そんなラストシーンに一瞬にして心が満たされていくのでした。


日本人はどちらかと言うとボディランゲージやアイコンタクト、苦手ですが、
言葉をたくさん並べなくても分かり合えるって
上質なコミュニケーションな気がします。
あと、センスの良いユーモアも。


NHK朝ドラ『なつぞら』で、
主人公のなつたちが作り上げたテレビアニメ『大草原の少女ソラ』は
大草原の小さな家」を原案にしたという設定でした。
北の大地でたくましく生きる開拓者ソラ一家のお話でしたね。