カラオケでよく歌う歌に「涙そうそう」があります。
作詞は森山良子さん、作曲はBEGIN。
以前から名曲だと思っていましたが、
最近、より心に沁みるようになって、
ちょっと泣きそうになるのを堪えながら歌っています。
古いアルバムめくり ありがとうってつぶやいた
いつもいつも胸の中 励ましてくれる人よ
そう歌いだすと決まって浮かぶのは昨年の初夏に亡くなった母のこと。
まさにそのままの言葉を空の上の母に歌いかけるような感覚になります。
今までありがとう
そして、
今までもそうだったように
今も励ましてくれている
大げさでもなくイイカッコしいでもなく、
母への自分の真っ直ぐな思いです。
晴れ渡る日も 雨の日も 浮かぶあの笑顔
想い出遠くあせても
おもかげ探して よみがえる日は 涙そうそう
顔の真ん中をクシャっとさせる母の笑顔が懐かしいです。
・・・
近頃耳にするようになった“毒親”という言葉。
毒親というほどではありませんが、
母も少し厄介な親でした。
良かれと思ってだろうけど、「こうしたらイイのに~」と押し付けようとするし、
愛情深いと言えばそうだけど、過干渉気味でしつこい。
超ポジティブで上昇志向なのは悪いことではないけど、
そうでない、そうできない人の思いを推し量ることができなかったり。
幼い頃は自分にとって厳しくも優しいただただ大好きな母でしたが、
思春期から大人になり、母のそういった部分に気づくといちいち指摘し、批判し、突っぱねたものです。
私は私、あなたではないと。
もしかして、母が毒親にならず、私が毒親に苦しめられる子にならなかったのは、
それを絶対受け入れなかったからかな。
そうだね。
そんなふうに自分の思いをはっきり示せる強さを育ててくれたのもあなただった。
結局、母はいつも私の意思を尊重してくれましたし。
理不尽なことに立ち向かうことを褒めてくれた母でした。
たとえ独りになっても自分がそうしたいならすればいいと励ましてくれたのも母でした。
他人を羨まず、「自分は自分」と教えてくれました。
他人を妬まず、「良かったねぇと言ってあげなさい」と笑っていました。
そうして私は今の自分になれたのかもしれません。
今の自分が立派な人間とは全く思いませんが、
精神的に取り巻くものに囚われることの少ない生き方なので、たいてい気楽です。
そして自由。
そんな自分で今在ること、
母、それから父にありがとねって思うんです。