インフルエンザはタミフルのおかげで順調に快復へと向かっている。
それでふと思い起こすのだけど、
あの日病院に駆け込んだ自分の格好はなかなかのものだったなぁ・・と。
高熱で激しい頭痛、足元もおぼつかない状態で休日診療の病院に行くのである。
オシャレなどする必要無いし、出来るわけもないけど、
もう少し、せめてもう少し普通の色合いの、普通のオバサンの格好で行けば良かったなぁと。
朝、とりあえず下着を着替えた。医師へのせめてもの配慮である。
次に、一番リラックス出来る、着古したグレーのスウェットシャツを被った。
下のパンツはこれまた楽チンのダボダボパンツ。色はカーキ色。
こげ茶のタイツをパンツの下に穿き、黒のごっついブーツを履いた。
仕上げに濃紺のダウンコートを引っ掛ける。
何よりすべてが自分にとって楽なアイテムだったが、
オジサンなのかオバサンなのか不明瞭。
しかも、全体を覆う色合いが如何せん暗かった。
自分の顔色も暗い。というか黒い。
ただでさえ血色悪く、くすみも酷いのに、インフルエンザにやられて最悪の顔色だった。
マスクで顔はほとんど隠れていたが、目の周りの落ち込みとクマが半端ない。
そんな私が、一欠けらの差し色もないくすんだ色合いの、上から下までダボダボファッションで、
オジサンだかオバサンだか不明瞭なオーラで病院の受付カウンターに向かった時、
受付の職員さんは明らかにギョッとしていた。
内心(何か問題でも?)とイラっとしたけど、
今思うとギョッとされても仕方ない形相と格好だったかも。
形相の方は変えようが無かったが、格好はもうちょっと気を遣えば良かったかなと。
まあ、元気になったから思うこと。
その時はそんなこと気にも出来ないからねぇ。
ところで、グレーのスウェットシャツは安物だったけど、
カーキのパンツはそこそこオシャレな代物。若い人も買うようなお店の。
けっこうな(と言っても大したこと無い)お金を払って買い、ここぞという日に穿いてきた。
何度も言うが楽チンでありお気に入りのヘビロテだったのだが、
最近、街中などでふとそのパンツ姿を鏡などで見ると、
フォルムが自分の体に合っていないような気がしてきた。
カーキ色っていうのも私が穿くと作業パンツのよう。
若い人が着ればカッコ良く着こなせるんだろうけど。
せめて渋い大人の感じで着こなせたらと思うけど、
それはお肌ピカピカの若い人がシックな色合いのものを身に付けて
「大人っぽくて素敵ね」「カッコイイじゃん」って言うのであって、
そもそも十分渋い大人になっている私が更に渋い色合いのものを着ると、渋さ過多。
ということなんでしょうねぇ。
まあ好きなものを着ればいいじゃん、とは思っています。
ただ、ここのところ「お!」と思うこともあって。
少し前までちっとも似合うと思わなかった鮮やかなピンクのカーディガンを、
娘が「それ、いいじゃん」と褒めてくれたこと。
実は自分でも意外に合うかもと思っていたので。
また、数年前にはちょっと派手だなあと思いつつ着ていた黄色のセーターが、
今やしっくりと顔に馴染んで着れていること。
要するに、歳を重ねて、顔が変わって、肌が変わって、体が変わって、髪の毛が変わって、
似合うものが変わってきたということなんでしょう。
若い頃は地味好みだったし、それなりに着こなしてもいたと思うけど、
今の自分に似合わなくなっているのは残念ながら明らか。
今はなるべく色鮮やかなものを、差し色でもいいから身に付けるようにしようかなと思っている。
いろんな色にチャレンジする新たな楽しみが出来たとも言える。