すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

父と会いました

 

昨日、遠く離れた地で入院している父の元へ行って来ました。

一昨日の記事でも書きましたが、

新型コロナウイルスの影響で、本来なら、たとえ身内でも面会出来ない状況なのですが、

主治医の「顔を見に来られたらどうですか?」の言葉に、ああ、もうそんなに悪いのかと。

県をまたいで、しかも今回は公共交通機関を利用しての移動でしたので、自粛すべきか悩みましたが、

今会わなければ生きている父にもう会えないかもしれないと思い、

マスク、アルコール消毒グッズの準備万端、自らの行動にも細心の注意を払い飛んで行きました。

(なにげに言い訳がましい…?(笑))

 

最寄りの駅まで兄夫婦が迎えに来てくれて、そのまま父の病院へ。

入口でアルコール消毒、ナースステーションの前で検温し、そっと父の病室に入った兄と私。

すると父は私たちの姿を見て、ベッドの上で「よう来た!」とばかりに手を広げ嬉しそうに迎えてくれたのです。

声はかすれて出にくくなっていますが、話も何とか出来ます。

もう話せないくらいに悪くて、体も動かせずただベッドに横たわっている姿を予想していたので、

それよりは多少元気であることにホッとしました。

酸素呼吸器を付けていると聞いたので、すごいのがガッツリついているのかと思っていたら、

鼻から酸素を吸入するタイプ(鼻カニューレという名称らしい)でした。

そうだよね、じゃなきゃ電話なんかできないよねと後で思った次第。

ただ、やはり認知症状が進んでいるのか、私の顔を見てすぐにはわからなかったようです。

話をしていくうちに、おぼろげながら認識した感じ。多分。

兄に至っては自分の弟と思い込んでいるようなのです。兄の名前を聞いても不思議そうな顔で。

私たちに会った瞬間、嬉しそうにしてくれたけど、誰が来たのかはよくわかっていなかったのだな(;^ω^)

そのうち、私に向かって「水を飲ませてくれ」と言い始めました。

実は、父は入院中、誤嚥による肺の炎症も繰り返していたようで、水分や食事を制限されています。

ですから、医師や看護師の許可無しで勝手に飲ませることは出来ないのですが、

私なら言うこときいてくれると思ったのか、しつこく言い続けます。

これこれこうだから勝手に飲ませることは出来ないんだよ、と説明しても「大丈夫だ」と。

喉が渇いてるんだろうなと可哀そうにも思いましたが、父のことを思えば言うことをきくわけにはいかず、

最後兄にビシッと注意されてようやく諦めたかに見えた父でした。

が、なんと、「もう、お前ら帰れ!」と逆ギレするではありませんか。

その唐突さや言い草に思わず笑ってしまいました。そういうとこ、変わらないなあって。

自分の思い通りにならないと怒って理性を失い、言ってはいけないことまで口走る。

父って昔からそういう人なんです。

痩せ衰えて息をするのもしんどそうなのに、我儘や憎まれ口は健在です。

「せっかく娘が遠くから来てくれたのにそれはないだろ」と兄。それを聞いて憮然とする父の顔。

体があまりにもしんどくて、つい言ってしまったんだろうとよくよくわかっています。

そんなことは全然構わなくて、ただ、兄の言葉の意味がもはや父には理解出来ていないのか、

(娘…?)(遠くから…?)と戸惑っている様にも見えました。

そんな父の様子は少し寂しくもありましたが、仕方のないことです。

 

生きている父と顔を合わせ言葉を交わすのはこれで最後かもしれないというのに、

結局そんなわけで、何だかいつもと変わらない感じで「じゃあね、元気になって又会おうね」と別れてきました。

父からも特に言葉は無く。

そんな父との面会でした。

 

会う前は父に会ったら泣いてしまうかもと思っていました。どんなに辛くなるだろうかと。

しかし、相変わらずの父の我儘と憎まれ口に涙が引っ込んでしまいました(;´∀`)

それと同時に、そんな憎まれ口がきけることに逆にこちらの胸の塞がりが晴れた気もしたのです。

主治医が言うように、もうあまり長くないと思います。それは父の様子でわかりました。

もし、父に弱弱しく感謝の言葉などを言われたら、憐れで可哀そうで心が残って別れるのが辛かったでしょう。

帰りの車中、あれはあれで良かったのかなと噛み締めながら思ったことです。

父自身はただの我儘で、何か思ってしていることではないけれど、

相変わらずで困ったもんだと苦笑いで帰って来れたこと、父の最後の親心と思って、有難く受け止めようと思います。

 

今回会えて本当に良かった。

もし最期に立ち会えなくても心残りは無いです。

最期まで父らしかった父を思い出せば、クヨクヨしないで済みそうです(笑)

 

 

ところで、

今回は新幹線や在来線、地下鉄を利用して移動だったのですが、

行きも帰りも嘘じゃなく全部座れました。それもぎちぎちじゃなく、間をあけてゆったり。

帰り、東京駅から自宅の最寄り駅までは、夕方ということもあり席は埋まっていましたが。

特に驚いたのは新幹線。

行きは10時半発ののぞみに乗ったのですが、私の乗った車両は乗客が10人程度。

帰りは多少増えて、それでも20人くらいかな。

皆さん、不要不急の外出自粛されていますね。

 

 

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