昨日、観るともなくついていたテレビ画面に
73歳の女性がスカイダイビングに挑戦、というテロップを目にし
エアコン掃除をしていた手を止め、見入ることしばし。
女性にとって空を飛ぶことは子どもの頃からの夢だったようですが
特にそれを叶えることはなく、結婚し歳を重ね今。
結婚50周年を迎えようとする夫の為に飛ぼうと決意されたのでした。
スポーツ万能、活動的で逞しかった夫が
怪我をし体調を崩してしまったことですっかり引きこもりがちに。
そんな夫を励ましたい。
また一緒にゴルフや旅行にも行きたい。
まだまだ私たちはやれるんだということを伝えたい。
そんな思いで挑戦されたのです。
いくつかの訓練をし、無事飛び終わった後、「楽しかったー!」と満面の笑顔の女性。
常に明るく前向きで新しいことにもどんどん挑戦する。そんなお人柄が伺えました。
一方、ご主人は状況を未だ受け止められないかのように何とも心許ない顔つきで地上で待っておられましたが
空から降りてくる妻を見つけると途端に顔がほころび、けれどその後は上手く着陸が出来るか心配な表情。
着陸後、妻の元に駆け寄り第一声「足は大丈夫か?」と労わっておられました。
すっかり元気をなくしたかの様にも見え、妻に引っ張ってもらっているかの様でもあっても
これまでの50年に及ぶ結婚生活、きっとご主人はこうして常に奥さまを気遣い逞しく守ってこられたのだなぁと
微笑ましい思いと共に、ご主人のずっとそうであっただろう優しさに胸が熱くなりました。
そして奥さまは、そんなご主人に支えられ幸せに過ごされてきたのでしょう。
最後、ご主人への手紙を明るく朗らかにキビキビと読んでおられましたが
ご主人への愛情が、なおさら切実に伝わるようで、思わず泣けてしまいました。
愛情がより深く形を変えた慈愛といったものに思えました。
観終わった後、心に残った思いは“夫婦”というものについて。
還暦を過ぎた夫と私。
結婚生活も35年になりますが、こういうご夫婦を拝見すると夫婦としては発展途上なのだとつくづく思います。
発展途上とはちょっと違うか。
発展途上ということは、この先成長し進歩するみたいだけど、そういうことでも無い。
成長とか進歩とは逆の現実が夫婦の間に訪れる中で、それでも
様々な山あり谷ありを乗り越えて、その先に静かに現れる言わば発酵し熟した関係性。
それを夫婦の醍醐味と呼ぶなら、それをわかるほど私たちは格闘していないということです。
バカな喧嘩はたくさんしていますがね(笑)
もちろんそこには愛情が必要、というのは一般的な言い様だけど
時に、それを何か超越したようなご夫婦を拝見したりすると、これは何だろうと思うんですよね。
このご夫婦の間に流れているものは何なのだろうと。
そこの域に到達したいものだと憧れたり。
愛情を超越してある夫婦関係の中で、また生まれる愛情もあるのでしょうか。
どうせならちょっと知りたいと思ったり、です。
(念の為、上記のご夫婦の間には確かな愛情が溢れていたこと、お伝えしておきます(^^;)
尾長、の夫婦かな?
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