今週から始まったNHK朝ドラ『おかえりモネ』
主人公のモネこと百音(ももね)が、アスナロの木の名前の由来を教えてもらうシーンがありました。
ヒノキ(檜)のように独特な爽やかな香りがあり丈夫な材質をもつことが特徴で、さまざまな物に利用されている便利な樹木です。
「ヒバ」や「クマサキ」「アテ」など地方によって異なる名前で呼ばれています。
ヒノキ(檜)に似ているが材質はヒノキに劣る木が「明日はヒノキになろう」と成長する様を想像してアスナロ。
漢字では「翌檜」「明日檜」と書きます。
中学生だったか高校生だったか、国語の教科書で出会ったのだったか。
ご存じの方も多いのではと思いますが。
天城山麓の小さな村で、血のつながりのない祖母と二人、土蔵で暮らした少年・鮎太。北国の高校で青春時代を過ごした彼が、長い大学生活を経て新聞記者となり、やがて終戦を迎えるまでの道程を、六人の女性との交流を軸に描く。明日は檜になろうと願いながら、永遠になりえない「あすなろ」の木の説話に託し、何者かになろうと夢を見、もがく人間の運命を活写した作者の自伝的小説。(新潮社サイトより)
「あすは檜(ひのき)になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。
でも、永久に檜にはなれないんだって!それであすなろうと言うのよ」
なるほど、それであすなろかと、痛く感心したものです。
「あすなろ物語」の後、「しろばんば」「夏草冬濤」「北の海」の自伝的小説が発表されます。
(井上氏自身は「あすなろ物語」は創作で、「しろばんば」以降が自叙伝的小説と述べているそうです)
「しろばんば」は幼少期、「夏草冬濤」は旧制中学時代、「北の海」は浪人時代を描いています。
読みやすく、次々と読み進めました。
「しろばんば」では、初めて知った“おめざ”というワードにカルチャーショックを受けました。
「はい、おめざ」
おぬい婆さんは紙包みを洪作の手に握らせたり、布団の中へ突っ込んだりして、
「ごはんできるまでまだ間があるから寝とれや」
と言って、また階段を降りて行った。早く起きよとも、起きて顔を洗えとも言わなかった。ひねり紙の中味は大抵黒砂糖の飴玉だった。洪作はその黒玉を二つか三つしゃぶり終えるまで床の中にはいっていた。
なんて幸せな。そんなことしてもらえるのか、そんなことが許されるのかと目から鱗の思いで羨ましかった(笑)
……………
学生の頃、私のおめざはブルボンの袋菓子でした。
休みの日の朝、親が起きて来ないうちにそれを二階の自室に持って上がり、寝床の中で食べる幸せと言ったら。
漫画を読みながら一つ、また一つと手が伸び、全部食べ切ってしまうことも。
そうなるとおめざの域を超えていますが(苦笑)
そんな仕業を母は気づいていたはずだけど、次の休みの朝には又ブルボン達が補充されていて、それをこっそり持って上がるを繰り返していました。
親になると、時々思いついては「はい、おめざ」と飴やチョコレートを娘たちの口に入れてやりました。
娘たちはもちろん喜んだけど、そうすることに私自身もワクワクして幸せな気分になったのでした。
今食べても美味しくて止まらない(^▽^;)
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