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『キネマの神様』


『キネマの神様』 観ました。


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監督は山田洋次さん
原作は原田マハさんの「キネマの神様」
彼女がご自身の家族や経験をもとに書き上げた小説だそうです。
山田監督がオリジナルの映画作品へと昇華させたと公式サイトで紹介されていました。


感想を思いつくまま並べてみます(順不同で(*´ω`*))


俳優陣が素晴らしかった。

特に心に印象深いものを残してくれたのは野田洋次郎さんの演技でした。
ちなみに、野田洋次郎さんはシンガーソングライターでもあり、「前前前世」がヒットしたロックバンド・RADWIMPSのメンバー。
主役の菅田将暉くんが映画のプロモーションでテレビ番組に出演した際
野田さんが山田監督に何度も演技を要求され大変だったこと
でも出来上がったものはとても素晴らしかったことを話していましたが
彼が演じたテラシンの、良心の塊の様な真面目さと純粋さと優しさに痛く心を打たれて
泣けてくるほどでした。
山田監督には野田さんの中にある稀有な才能が見えていたのでしょうね。
だからこそ求めたのでしょう。


沢田研二さん。
彼の声は今もなお若々しくジュリーの面影を残していることに少し驚きました。
風貌は……………いくらかお変わりになっているけれど。
歌うシーン。やっぱりジュリー、歌上手いなぁと感激。
志村けんさんの代役ということ。
どうしても比べられていろいろな意見もあるのでしょう。志村さんのを観たかったとか。
私的には、例えば最初から沢田研二さんが演じることになっていたとして
全然違和感無かっただろうなと思います。
それどころか、ジュリーが演じた主人公の晩年。
演技の才能も唯一無二だった若かりし頃のジュリーを思い浮かべながら、感慨深いものがありました。
今のあなたをこうして見せてくれてありがとう。そんな思いすら。


想像通り菅田将暉くんの魅力は存分にスクリーンに溢れていたし
大好きな宮本信子さんは全てが納得させられるやっぱり凄い女優さんだった。
永野芽郁ちゃんの啖呵はいじらしくてカッコ良くて
北川景子さんは往年の名女優原節子さんを彷彿とさせる凛とした美しさが、間違いなくこの映画には必要だったと思わせてくれた。
主人公の親友役テラシンの晩年を演じた小林稔さんはもはや言わずもがな過ぎて、言わずもがな。


はたと気づくのだけど
山田洋次監督の作品にはとことん悪い人間は出てこないんですよね。
だらしなくて人に迷惑かけてばかり。
調子良くて噓もつくし怠けるし、危害だって与えるかもしれない。
だけどそんな人間にも必ずどこかに温かい光を当て救いを見つけようとしてくれている。
フーテンの寅さん然り。
山田洋次という人の、人間に向き合う時の謙虚さ、深さに、いつも教えられます。
山田洋次という人の、人間を信じる思いに観ているこちらも救われ、温かい涙を流すことが出来る。

世の中そんなに甘くないと言いたい人もおられるでしょう。
たとえそうであっても、そんな映画があってもいいじゃない?
そんな映画を作り続けることが山田監督の信念なのかもしれない。
『キネマの神様』もそうした映画でした。


少し長いですがあらすじです(公式サイトから引用させて頂きましたm(__)m)
ネタバレお断りの方はスルーしてくださいましm(__)m

無類のギャンブル好きなゴウ(沢田研二)は妻の淑子よしこ(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。
そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。
それは「映画」−−− 。
行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、かつて映画の撮影所で働く仲間だった。

若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として、映写技師のテラシン(野田洋次郎)をはじめ、
時代を代表する名監督やスター女優の園子(北川景子)、
また撮影所近くの食堂の看板娘・淑子(永野芽郁)に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。
そして、ゴウとテラシンは淑子にそれぞれ想いを寄せていた。
しかしゴウは初監督作品の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。
ゴウは撮影所を辞めて田舎に帰り、淑子は周囲の反対を押し切ってゴウを追いかけて行った・・・。

あれから約50年。歩の息子の勇太(前田旺志郎)が、古びた映画の脚本を手に取る。
その作品のタイトルは、『キネマの神様』。それはゴウが初監督の時、撮影を放棄した作品だった。
勇太はその脚本の面白さに感動し、現代版に書き直して脚本賞に応募しようとゴウに提案する。
最初は半信半疑で始めたゴウであったが、再び自身の作品に向き合う中で、
忘れかけていた夢や青春を取り戻してゆく−− 。

これは、“映画の神様”を信じ続けた男の人生とともに紡がれる
愛と友情、そして家族の物語。



ところで、
『キネマの天地』という映画、ご存じでしょうか。
こちらも山田洋次監督作品で1986年に公開され、当時観ました。
35年も前ということにビックリですが、様々なシーンを思い出すことが出来ます。
戦前の松竹蒲田撮影所が舞台。
この時代の映画人たちをモデルに描いた作品で
やはり往年の名女優だった田中絹代さんをモデルに有森也実さんが主役を演じました。
渥美清さんがお父さん役で。
確かこの時も主役の交代劇があり話題になったんですよね(;^ω^)

映画を観に行く日の朝、夫に「今日は何観るの?」と訊かれ
「キネマの天地!」と元気良く答えた私。
映画館でチケットを買う段になって、あれ?神様か…って。
古い記憶の固有名詞が何処からか飛んで出るのは毎度のことです(^▽^;)



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