『シン・ウルトラマン』 観ました。
1966年当時、小学生だった自分が観ていたテレビ『ウルトラマン』のロゴと同じことが、まず懐かしい。
ポスターのタッチも昭和の雰囲気を醸し出している、気がする。
1966年1月に始まった『ウルトラQ』から続く『ウルトラマン』、そして『ウルトラセブン』へ。
円谷プロによる、いわゆる特撮モノ黎明期の熱く瑞々しい息吹を全身に浴びた子ども時代だった。(例によって大袈裟^^;)
これは一つ、観に行かなければと。
子どもの頃、夢中になって観た『ウルトラマン』
それから半世紀を優に超え、新しいウルトラマン、その名も『シン・ウルトラマン』はどのように見えるのかと楽しみでもあり
反面、ガッカリしたくないという不安もあった。
面白かった、とまずは言う。ガッカリは無い。
テンポ良いストーリー運びと歯切れ良い会話劇にぐんぐん引っ張られる。
早口の専門用語?の応酬に、『ウルトラマン』世代のシニアの耳と脳みそはついていけないが
そこはそれ、そもそも空想の世界なので、流すところは流し、大体の感じでわかる気になっている。
(『ウルトラマン』の時もそんなだった)
小さいお子さんは理解できるのかな?と思ったが、多分シニアたちよりは理解するのだろう。
特撮とCGを融合させた映像は、当然だが昔よりスタイリッシュで迫力もある。
街や建物がどんどん壊されて、その下にいる人間は大丈夫なの?どうやって復旧させるの?と、昔と同じようにツッコミたくなるが
翌日には普通に市民生活が送れている。
そんなとこは変わらなくて、心の中でちょっと笑ってしまう。(まあまあ、これも空想の世界だから)
スタイリッシュと言えば、新しいウルトラマンの美しさである。
この作品をより魅力的に高めた重要な要素ではないだろうか。
シュッとした痩身に長い手足。特に股下の長さには驚かされた。まさに令和のウルトラマン。
背中のファスナー隠しの背びれが消え、肩甲骨がクイックイッと動くさまも美しい。
何より、カラータイマーがなくなっている。
(カラータイマーは昭和のウルトラマン世代にとってウルトラマンたらしめるものと言える。なので無いと知りエッ?(⊙ˍ⊙)となった)
(では新しいウルトラマンは無尽蔵にエネルギーを使えるのかというとそうではなく、違う表現でエネルギー残量がわかるようになっている)
初代ウルトラマンをデザインした成田亨氏が後に描いたウルトラマン本来の姿。
彼の目指したその姿「真実と正義と美の化身」が『シン・ウルトラマン』のデザインコンセプトとなったそうだ。
これは是非言いたいが、新しいウルトラマンが繰り出すスペシウム光線。
手をクロスするまでの動きがハッとするほど美しく、痺れた。
……………
面白かった、とまずは書いたけど
それよりも多く心の中を占めたのは切ないような、でも幸せな懐かしさだった。
『シン・ウルトラマン』のウルトラマンが
昔観ていた『ウルトラマン』とちっとも変っていなかったから。
映像技術が進歩し、スタイリッシュになっても
ウルトラマンの精神はあの頃のまま。
『シン・ウルトラマン』を作った人たちの、ウルトラマンを心から愛し、大切にしたい気持ちが
ウルトラマンをそのまんま残してくれているように思えた。
怪獣はたいてい悪者だけど
人間の傲慢や自然破壊によって生まれた怪獣が時々登場して
観ている私たちに問いかけた。
友情や信じることの大切さ、誰かの為に尽くすことの尊さも教えられた。
私たち子どもはそれを観て、自然と学んだ。
『ウルトラマン』で伝えようとしていたそんなことも
『シン・ウルトラマン』で描かれていて、胸が熱くなった。
大切なことは変わらないのだ。
そういう意味で、誤解を恐れずに言えば
子どもの頃、『ウルトラマン』を観てきた者にとって
『シン・ウルトラマン』は特に意外性もなく、何か新しい発見があるわけではないのかもしれない。
だが、それで良いのだと思う。
『ウルトラマン』の精神や世界観に再び出会えたことが
じんわりと嬉しいのだ。
……………
米津玄師さんの歌う主題歌「M八七」
さすが米津氏です。イイ感じに盛り上げてくれます。
ただ、ウルトラマンはM78星雲からやって来たはず。
なのに「M八七」?と不思議に思い調べたところ
本作品ではウルトラマンの出身地を明確にしておらず、米津から当初渡された曲のタイトルも「M78」であった。
しかし、初代ウルトラマンの放送当時に「M87」と台本に書いてあったものが印刷台本時に間違って「M七八」になった、というエピソードを汲んで曲のタイトルを「M八七」にしてはいかがか、と返したところ米津もこれを快諾し、「M八七」になったという。(Wikipediaより)
ところで、初代『ウルトラマン』の主題歌、憶えていますか?
胸につけてる マークは流星
自慢のジェットで 敵をうつ
光の国からぼくらのために
来たぞ われらの ウルトラマン
(スゴイ!すらすら出て来ました(^O^))
こちらもなかなかの名曲だと思うんですよね。
メロディがまさに起承転結でまとめられている(*´▽`*)