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『インビクタス/負けざる者たち』~私は我が運命の支配者、我が魂の指揮官


先日、NHKBSプレミアムで放送されました。

インビクタス/負けざる者たち(2009年アメリカ)



クリント・イーストウッドが監督、
モーガン・フリーマンマット・デイモンが主演、となれば面白くないはずがない。

南アフリカ共和国ネルソン・マンデラ大統領と同国代表ラグビーチームの白人キャプテンがワールドカップ制覇へ向け奮闘する姿を、クリント・イーストウッド監督が描いた人間ドラマ。


1994年、南アフリカ初の黒人大統領となったマンデラは、アパルトヘイトによる人種差別や経済格差をなくし、国をまとめるためには、95年に自国で開催されるラグビーワールドカップでの優勝が必要と感じ、代表チームのキャプテン、ピナールとの接触を図る……。(映画.comより)


実話に基づくストーリー。


伝えようとするテーマは
ネルソン・マンデラ氏の功績?
南ア代表ラグビーチームがワールドカップ制覇へ向け奮闘する姿?
その両方でしょうか。


マンデラ氏の伝記映画か、スポーツのサクセスストーリーか、となれば
後者の方が比重が大きいように感じました。


物語の始まりはそうとは気づかなかったけど
中ほどから、そうかこれはラグビーのサクセスストーリーなのか?

ラストへ向かう展開にワクワクしましたから(*´▽`*)




スミマセン!ネタバレですm(_ _)m

ご注意ください💦



1990年2月11日 南アフリカ

道路と金網を隔て
綺麗に整備された芝生のグラウンドでラグビーをする白人の学生たちと
片や、ほとんど整備されていない土のグラウンド(広場?)でサッカーをする黒人の子どもたち

27年ぶりに刑務所から釈放されたネルソン・マンデラを乗せた車を
黒人の人々が歓声を上げて迎えるシーンから始まります。


マンデラ氏の釈放をきっかけに、彼が所属するアフリカ民族会議(ANC)と他政党との抗争が激化。
政府が他政党に密かに武器を提供し、武力闘争を煽っているという報告も。


南アフリカが内戦勃発の危機にある中
マンデラ氏は10万人のANC支持者に和平を求める演説をしました。


「あなた方のナイフ、銃、パンガ刀を海へ捨てなさい」


4年間の交渉の末、南アフリカ初の全人種による総選挙が行われ約2300万人が投票。
ネルソン・マンデラ氏は大統領に選出されます。

その際の演説で彼は訴えます。


「何があろうと絶対に、もう二度と再び、この美しい国において、人が人を抑圧することが繰り返されてはならず、世界の恥さらしとしての屈辱を受けてはなりません」


それまでの白人の仕打ちが忘れられず、和解を拒む人間には


「赦しが第一歩だ。赦しが魂を自由にする」


黒人主導のスポーツ評議会の席で
アパルトヘイト時代の象徴であるラグビーチーム「スプリングボクス」のカラー、エンブレム、チーム名を排除しようとする動きに対し
スプリングボクス」は継承すべきと。


アフリカーナー(ヨーロッパ系白人)はもはや敵ではない。彼らは我々と同じ南アフリカ人だ。民主主義における我々のパートナーだ」

「もっといい対応を。彼らを驚かすのだ。憐れみ深さと奥ゆかしさと寛大な心で。それらは我々に対し彼らが拒んだものばかり。だが今は卑屈な復讐を果たすときではない。我々の国家を築くときなのだ」



物語の前半からマンデラ氏の言葉に何度も心震えました。


彼の実際の言葉なのか、脚本の力なのか、正確なところはわからないけど
彼が稀有な指導者であったことを改めて知った気がしました。


あの時代、南アフリカに彼がいたこと
南アフリカにとっても、世界にとっても、本当にラッキーだった。



刑務所にいた27年間、マンデラ氏を支え続けた詩「インビクタス」の一節を、ラグビーチームの主将に贈ります。


「私は我が運命の支配者、我が魂の指揮官なのだ」


そう思うことで、マンデラ氏は想像を絶する過酷な状況においても精神を保たせ、打ち勝とうとしたのでしょうか。


私は誰にも支配されない
だから誰をも赦すことが出来る

そうも言っているように思えて、心に強く迫りました。



そんなわけで、
マンデラ氏の言葉や行動は作品の中で強い存在感を放ち
彼の功績を伝えるものでもあるのですが

観終わってみれば、

あれ?これは南ア代表ラグビーチームの栄光までの軌跡を描いた作品だったのか?と気づいたんですよね。

後半はノンストップでラグビーのシーンに持って行かれましたから。


どちらが主題だったんだろう。

まぁ、どちらでもイイのです。
と言うか、どちらも良かった。

良い映画でした。


……………


ところで、

物語の中で、オールブラックスが日本戦で145対17で圧勝し、マンデラ氏が1試合で145点も⁉と驚くシーンがあるんです。
国際試合の新記録だとも。

1995年のワールドカップ、日本はそんなだったんですね。

でもその後、2015年のイングランド大会では終了間際に逆転トライで南アフリカに勝ったんですけどね。

2019年、前回のワールドカップ日本大会では初のベスト8入り。(そこで南アフリカには負けたけど^^;)

日本中がラグビーフィーバーに沸いたこと、記憶に新しいですよね。


先日のフランス戦も惜しかった(>_<)

来年のワールドカップが俄然楽しみになりました!



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