すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

再び、ユーミンと。恋の哲学


昨日、車で出かけた際のBGMはユーミンだった。


ずい分前に出たCDアルバム3枚組。
デビューからそれまでの楽曲の中から46曲を収録したもので
当時、早速レンタル(^^;してカーオーディオに入れた私は
出かける度に延々と聴き続けたものだ。

そうでなくても、娘時代からユーミンは散々聴き倒してきた。


それでも
あまりにも聴き慣れた曲たちが次々と流れてもちっとも飽きなくて
ノリノリで歌える。


そうして歌いつつ、聴こえてきた一節にふと心が留まった。



時はいつの日にも 親切な友達
過ぎてゆくきのうを 物語にかえる

「12月の雨」より


ホントだよねーと車の中で改めてしみじみとする。

そう言えば、ウン十年前の娘の頃
この一節に救われたなあと感慨深くもある。



「カンナ8号線」では別れてしまった人に言う。

うらまないのもかわいくないでしょう
だから気にせずに


好きだった人の心に責めを負わせたくない複雑な女心

別れを恨んだとしてもどうか気にしないで
だって恨まないのも可愛くないでしょう?


そんな言い回しに衝撃を受けた覚えがある。
そんな感性を持つ女性(ユーミン)が同じ女性としてとてもいじらしく
しかし聡明で
そして大人に思えたものだ。



恨む、と言えば「冷たい雨」の一節も

彼女の名前 教えないでね
うらむ相手はあなただけでいい


これにも参った。

そうか、そういうことだよな

あなたが私ではない彼女を選んだということ
もし、うらむとするならあなただけでいい

娘っ子だった私は恋愛というものの筋を見極めることを学んだ気がした。



ユーミンの楽曲を言い表すとすれば、ありきたりではあるが「お洒落」だろうか。
(もちろん他にもいろいろある)

メロディ、歌詞共に、お洒落でハイセンスな彼女の歌だが
それだけではなく、つまりポップでファッショナブルだけでなく

特に歌詞にはドキッとさせられてきた。


夢物語のようにふわふわと儚げでもあるし
カラー写真(時にはセピア色)のような美しい風景や
温もりが伝わるような優しい光景が広がりつつも

本質を突いた一節にグッと心を掴まれるのだ。
或いは刺される?


ソフトな歌声で、ポップなメロディにのせて、実は鋭いことを言っているユーミン
自分が気づかなかった真理に
幼かった心が何度も開かれる経験をした。


彼女が歌う言葉は時代を超え、「普遍的」とも言えるのではと思っている。


……………



昔、ユーミンのこと、書いたなあと探してみたらあった。9年前のこと。

そこでは「14番目の月」について書いていた。


「14番目の月」では、革新的?本質的?な恋のセオリーのようなものを教えてもらった気がしてドキッとしたな。
気持ちが読みきれないもどかしさがあるからときめく。
愛の告白をしたらそのとたん終わりが見える。
むむむ・・・。


つぎの夜から 欠ける満月より
14番目の月が いちばん好き



そして、「魔法のくすり」 についても。


男はいつも最初の恋人になりたがり
女は誰も最後の愛人でいたいの


大人になり立てで、恋愛なんて濃厚なものをしちゃあいなかったけど
“愛人”という言葉に多少引っかかりはあったものの
好きな人の最後の女(ひと、と呼びたい)になりたいという感覚は
な~んとなく脳みその遠い所で納得できる気がしたっけなぁ。

大した経験も無いのに頭の中で共感しちゃうあたり、なんともお恥ずかしいけど 


でも、これ、わりとよく聞くんだけど
実際のところ、女のひと、どうなんだろうか?

それに、これ、何なんだろう?
母性?
好きなことやっていても最後に私のところに帰ってきてくれればイイ的な、懐の深さ?


時をかける少女じゃないけれど
時を超えて、今また考えているわけ 


……………


更に時を超えた、今。


残念ながら「14番目の月」や「魔法のくすり」のような複雑なときめきから更に遠いところにいて
最初だとか、最後だとか
恋人だとか、愛人だとか
考えることも無いのだけど


それでもユーミンを聴くと、一瞬にして当時の自分にタイムスリップした気分で
彼女が歌う恋の哲学に酔いしれている。



「日本の恋と、ユーミンと。」2012年11月リリース



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