久しぶりの 益田ミリさん
「ミウラさんの友達」

小さな行き違いから学生時代の友達と疎遠になったミウラさん。
引っ越しを機に手に入れたアート作品は「トモダチ」という名で、高さは160センチほど。一見人間の女性のように見えるが、口にするのは、あらかじめ設定されている4つの言葉と、持ち主が決めることのできる1つの言葉のみ。
「トモダチ」との不思議なふたり暮らしが始まった。
(文庫裏表紙の内容紹介より)
ミウラさんと「トモダチ」
「トモダチ」は実はロボット
その思いもしない設定にのっけからウキウキと楽しく
だけどふたりの暮らしは思いのほか淡々と普通
その中で紡がれる「コトバ」たちに
じゅんわりとした温もりと、ちくんと切ない痛みを抱きしめるのはいつものことです
まさに益田ミリワールド
文庫本の帯に
5つの言葉で寄り添ってくれた「トモダチ」ロボット
とあり
ネタバレになりますが
5つの言葉とは
「うん」
「そうなの?」
「大丈夫?」
「ただいま」
「きれい」
ことさら励まそうとか
親身になって救おうとか
激しく共感するとか
そういう意図がたいして感じられないまま
「トモダチ」ロボットはただただ5つの言葉を状況に応じて繰り出している
後でわかるのですが、「トモダチ」は相手の感情を顔の筋肉の動きで感知し
言うべき、或いは求められている言葉を選んでいるようなのです
ミウラさんはそんな「トモダチ」に心を開き
たくさんの思いを吐露し
自分自身を整えていく
確かに「トモダチ」は5つの言葉(だけ)で寄り添っていた
友達ってなんだろうと考えました
友達の為とか
友達を励まそうとか考えて
たくさんの言葉を伝えようとするけれど
友達にとって本当に必要な言葉を伝えられているのか
余計な言葉を過剰に言っているのではないのか
それどころか友達の言葉を遮っていないか
自分は友達として真に相手に寄り添えているのだろうか
最後、ミウラさんはある事に思い至り「トモダチ」とお別れします
少し寂しい結末でしたが
それはつまり、「トモダチ」がミウラさんをその場所へと導いたのだなあと思うと
切ないけれど、それで良かったんだなと
ちなみに、
「ただいま」には「トモダチ」ロボット製作者の願いのようなものが込められていました
また「きれい」はミウラさんが決めた言葉
きれいなものを観た時、一緒に「きれい」と言い合いたかったから
…………
友達ってなんだろう
この本のテーマでしょうか
少し長くなりますが、めちゃくちゃ胸に刺さったミウラさんの言葉を紹介したいと思います
ミウラさん「この前の友達の話」
「トモダチ」「うん」
ミ「何を怒ってんのか理由を聞いてみようかな~って、今日思ったんだけど」
ト「うん」
ミ「やっぱやめた」
ト「そうなの?」
ミ「その子さー、基本、まじめでさー、義理堅くて、あとね、好みのタイプのストライクゾーン狭くてさ」
ト「うん」
ミ「良く言えば一途だけど、好き嫌いがハッキリしててガンコとも言える」
ト「うん」
ミ「嫌いってなるとずーっと嫌い。そういうとこあるの、あの子。だからさ、もうさ、ダメなわけ。何に怒ったのか、理由どうこうより、もうわたしとは友達ではいたくない、ってあの子が決めたのがわかるから」
ト「そうなの?」
ミ「うん、わかるの。でさ、おかしいんだけどー、わたし、あの子のそういうとこも友達として嫌いじゃないの。てか、むしろ好きなとこでもあった!!だから、いいんだ。たぶん、もう」
相手のメンドクサイところも友達として実は嫌いじゃない
てか、そういうヤツだからむしろ好きって、すごくわかる
自分にもそういう友達いたから
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