NHK朝ドラ『虎に翼』も中盤。
日本が戦争に負け、アメリカに占領されることで国の在り方が大きく変わる。
日本国憲法が公布され、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない」と謳われ、主人公寅子の前にも道が開ける。
小気味いいスタートダッシュで始まった『虎に翼』。
それに比べれば、戦中や終戦直後の混乱の中で寅子の勢いは停滞したかのようにも感じたが
ここから3ヶ月をかけて、法曹界での更にパワーアップした彼女の奮闘ぶりが見られるのではと期待している。
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先日の、母のはるさんが亡くなるシーンでは、「やだ、やだ、死んじゃやだ!」と駄々をこねて泣く寅子にもらい泣き。
その駄々のこね方が秀逸で、寅子役の伊藤沙莉ちゃん、本当に芸達者だなあとつくづく思った。
はるさんが寅子と嫁の花江さんに最期に言う。
「日記に私が死んだ後のことは書いてあります。それ以外の日記は全部燃やしてちょうだい」
寅子に燃やす?どうして?と訊かれて「それは恥ずかしいです。絶対にお願いね」
「お母さんはなんにも悔いは無いの。いろんなことがあった人生だったけど悔いは何一つ無い」
「この家のことは二人になら任せられる。先の事はよろしくね」
この1ヶ月間の自分の手術騒ぎ。
正直言えば、手術が失敗することをも想定し、繰り返しいろいろな事を考えた日々だった。
自分が今命が断たれるとしても仕方ない。
60歳半ばまで生きた。
しんどい事も多かったけど、楽しい事もいっぱいあって、思う存分とはいかないまでも好きな事もやれた。
周囲の人に恵まれ、幸せ者だった。
親も見送れた。子どもたちも自立した。
孫たちはまだ小さいけれど、娘夫婦がしっかり育ててくれるだろう。
もう十分。悔いは無いと自分でも不思議なくらいすんなり思えた。
心残りがあるとすれば、暮らしの細々とした事を夫はわかるだろうか、出来るだろうかということ。
その為に、新しくノートを買い、銀行口座や公共料金の詳細、年金や各種保険のIDやパスワードなどをまとめた。
自分の遺品整理で恥ずかしいモノが家族に見られないように、改めて確認し処分もした。
今こうして何事も無かったからこそだが、
はるさんと同じように自分も考えたことに、ふふっと笑ってしまった。
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手術日が決まったらそれまでにノートに書き加えようと思っていたことがある。
もしお葬式をするなら身内だけの家族葬で。
娘たちの負担にならないように、遠い所のお墓ではなく身近な納骨堂のような場所に。
夫には、お骨になってから親しい友人たちに葉書で連絡してと頼もう。
友人たちの連絡先は書いておくつもりだった。
手術をする必要が無くなり、ノートもとりあえず今は無用となったが、いわゆるエンディングノートとして今後も整理していくつもり。
終活そのものも前向きに進めよう。
その時が来ても潔くさっぱりとサヨナラ出来るように。
その安心を得て自分はこれからの人生、短くても長くても心置きなく楽しめる気がしている。
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今週水曜日、東京都庭園美術館(東京都港区白金台5-21-9)に友人5人と連れ立って出かけました。
第3水曜日はシルバーデイで65歳以上は無料なのです。
2ヶ月前からの約束で、一時は行けないかもと密かに思っていましたが、手術回避が決まり、晴れ晴れとした気持ちで出かけることが出来ました(^^)
「YUMEJI展」(竹久夢二)が開催されていました。
絵葉書買いました。
「晩春」