すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

送り盆、8月15日、そして生きること

 

今朝早く、突然の蝉の鳴き声で目が覚めた。

クーラーをかけたまま寝るのが苦手で、いつも寝る時は部屋中を網戸にしているのだが

寝ている頭のすぐ上で鳴いているかのようなけたたましい音だった。

ビックリしたが、そのまま寝ぼけた頭で聞きながら

そう言えば盆の入りには朝早く蝉が網戸に止まっていて、父が来たのかと思ったのだった。

今日は送り盆。父があの世に帰る挨拶に来たのかな。

そうなれば、多分母も一緒だろう。

 

夏休みに両親の故郷に帰省すると、8月15日の送り盆には精霊舟を海に流しに行った。

今はエンジェルロードと洒落た名前が付いているが、当時はなんてことない浜。

しかし、そこは精霊さんを送るメッカとも言える場所で

たくさんの人が舟を流す為に集まった。

祖母の家に家族、親戚が集まり、夜遅くまで賑やかに過ごし

さて行くかと皆で浜まで歩いていくと、既に浜は精霊舟を持った人で混雑していて

その中を、父や叔父は人混みかき分け、海の中に脛まで入り

上手く潮に乗って沖に流れて行くよう、それ行けやれ行けと舟を押しやる。

母や叔母、子ども達はそれを見守り、ようやく沖の方に流れて行くとホッとした。

海面を漂い流れる幾つもの精霊舟の灯りは厳かで、子ども心にも妙に物悲しく

それと共に、夏休みの終わりが近いことも感じて更に寂しくなるのだった。

 

そんなふうにご先祖様を送った父も母も

自分たちは故郷の送り盆の舟には乗れなかったけど

無事、帰っただろうか。

いや、あの人たちのことだから、サクッと飛行機で帰ったかな(笑)

 

 

8月15日糸井重里さんのエッセイから

 

毎年、8月15日に、汗をかきながら、生きることや、死ぬこと、死なせられることを思う。

 

身近なところに小さなこどもがいて、よかった。

彼女、一週間経ったら、もう成長している。

こんな速度でいろいろ覚えていくものなのか。

人間には、そんな時期があるんだと思うだけで、それを見る者にも勇気が湧いてくる。

生きることが大好きなんだ、あのこは、きっと。

薄い髪の毛の下にいっぱい汗をかいて、昼寝をしている姿さえも、とても、生きている。

 

毎年、8月15日には、少し神妙になって願うことがある。

たぶん、それは、みんなが願っていることだ。

今年は、もっと気軽に、昼寝の夢で願おうかな。

 

 

お孫さんの成長を書かれている。

身近なところに小さなこどもがいて、よかった

私も自分の孫を思い、共感大である。

 

生きることが大好き

いっぱい汗をかいて、昼寝をしている姿さえもとても生きている

そんな彼らを見て幸せと勇気を貰っている。

そして生きることの単純明快ぶりを

小さな彼らから教えて貰っている。

 

この生きることのかたまりが

思う存分生きることを阻害されない世の中が続くことを、切に願う。

 

 

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小豆島 エンジェルロード
 

 

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