すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

初盆会

 
今年のお盆は母の初盆でした。
 
兄夫婦がネットで検索しながら初盆の準備をしてくれました。
お迎えをして、お参りをして。
私はそれで帰って来ましたが
昨日、兄夫婦が無事送ってくれたとのこと。
お盆のさなか、盆棚を置いた部屋の鉢植えに白い花が咲いて
滅多に咲かないのにお母さんが帰ってきたんだねと義姉が言ったそうです。
花が大好きな母でしたから、きっとそうでしょう。
 
 
昨夜のテレビ、俳句を作る番組で
帰省ラッシュの写真で一句”というお題。
 
ふと、母のことが浮かびました。
 
帰省し、我が家へ戻る際
母はいつもお弁当を作って持たせてくれました。
早朝出発だからいいよと言うのですが
さらに早起きして、おにぎりや焼いた塩鮭、だし巻き卵などを作ってくれました。
夫や娘たちも実は大のお楽しみで
島からのフェリーに乗っている間に食べ尽くしてしまうほど。
特に、だし巻き卵は絶品でした。
ただ、出し汁の量が多いのか食べながら汁がぽたぽた垂れて。
それでも、そんな食べ辛さも打ち負かすくらい愛情たっぷりの美味しさでした。
 
やがて、母の老いが進むにつれて
世話をかけるのが申し訳なくなり
もう本当にいいからと強く言うと
おにぎりとだし巻き卵だけはと、持たせてくれました。
そして、おにぎりだけに。
 
母お手製の梅干し入り。
海苔をぐるりと巻いた大きな俵型。
母が小さな手を精一杯広げて握ってくれたおにぎりはぐずぐずと柔らかく
食べるとやっぱり、ぽろぽろ崩れてしまうのでした。
 
我が家へ向かう新幹線の車窓を眺めながら頬張ったこと。
ただただ娘として、母の慈愛を感じながら
お腹も心も温かくなったこと。
切なくも、幸せな想い出です。
 
 
ということで、恥ずかしながら、一句。
 
つゆだくの
亡母のだし巻き
初盆会
(つゆだくの ははのだしまき はつぼんえ)
 
お粗末・・