すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

わかれゆく季節をかぞえながら、わかれゆく命をかぞえながら


最近、テレビで小豆島を紹介する番組を度々目にします。
(意識するから特に目につくだけかな^^;)


一つは火野正平さんが視聴者の思い出の風景を自転車で旅するもの。

高松からフェリーで小豆島に向かった正平さん。
着いたのは土庄港
私にはあまりにも懐かしい船上からの眺めでした。


帰省する時には、いつも父と母が車で迎えに来てくれました。
待ちかねる様にフェリーのすぐ近くまで来て、降りてくる私を探していた父。
少し離れた場所で、古びた軽自動車に体を支える様にして立っていた母。

歳を重ねると共に、父は痩せ、母は小さくなり
年に一度程度の帰省だったので、その変化に驚かされて。
それでもやっぱり帰ると言えば必ず港まで迎えに来てくれました。

ある時、父が下船する私を見つけながら
「どこのオバはんが降りて来たかと思たらお前やった」と憎まれ口をきくものだから
早速ケンカになったこともあります( ̄▽ ̄;)


フェリーの方を見上げながら待っていてくれた両親の姿が
テレビに映し出される土庄港に蘇るようで

ああ、あそこにいつも車を停めて父と母が立っていたなぁと
その時の父の顔や母の仕草まで思い出されるのでした。

と同時に、
その場所でそうして待ってくれる人がもういないこと。
改めて又思い知るのです。



13年前、土庄港で。待ちきれず船の方に歩いて来るのは父。後ろで待っているのが母。いつもこんなふうでしたね(;^ω^)


昨夜はNHK『街角ピアノ』の小豆島編を観ました。

観光スポットのオリーブ公園に置かれた一台のピアノ。
誰でも自由に弾くことが出来て、観光客や地元の人が演奏されていました。


オリーブ公園も帰省の際には両親や兄家族と何度も行った場所です。

オリーブの木
青い空と青い海をバックに白い風車

丘からの眺めは本当に美しかった。


当時から観光スポットではありましたが
後に映画『魔女の宅急便』の舞台になってからは本当に多くの人が訪れるようになりました。

流行りの映えスポットなのでしょう。
風車をバックに“魔法の箒”にまたがりジャンプして写真を撮っている人がたくさんいらっしゃいました。


そんな様子をテレビで観ながら
もうあそこに行くことは無いんだろうなぁと
いちいち思ってしまうんです。

もう自分の居場所は其処にはないというか…

これは何?

寂しくてひねくれてる?(;´Д`)



オリーブ公園にて兄家族と。日付は1994年8月13日、28年前です(⊙o⊙)。写真をアルバムから外してスマホで撮ったので、手が写り込んでしまいました^^;


……………


義母が亡くなりました。

眠るようにという言葉そのままの、穏やかな最期でした。


長く持病を抱えていましたが
それで最後痛い思いをするということもなく
亡くなる10日ほど前から自ら食べることを止め
ただただ静かに眠り続けた義母。

途中、周囲の声掛けに薄目を開けたり手足を少し動かすことも。

亡くなる3日前には、義母が望んで水とアイスクリームを少し口に入れたそうです。

そして亡くなる当日、面会した夫は初めて義母の苦しそうな呼吸を聞きました。

その数時間後、静かに義母は息を引き取りました。


まるで義母自身もわかっていたことのように
その導きに誘(いざな)われるように旅立った義母のこと
天晴れとさえ思います。


そして、正直言えば
生前、義母の言動に傷ついたり憤慨したこともありましたが

そういった穏やかな最期を与えられたとするなら
義母は徳のある人だったのかもしれないなあと思ったりするのです。


……………


中島みゆきさんの歌に「誕生」という歌があります。

ずい分前に記事にしたことありますが
その時は、男女間の恋愛の歌と単純に思い込んでいました。

けれど、

少し前にカラオケでこの歌を歌った時
あるフレーズが自分の心情と重なり
思わず喉の奥が締め付けられました。


ふりかえるひまもなく時は流れて
帰りたい場所がまたひとつずつ消えてゆく
すがりたいだれかを失うたびに
だれかを守りたい私になるの

わかれゆく季節をかぞえながら
わかれゆく命をかぞえながら
祈りながら嘆きながら とうに愛を知っている
忘れない言葉はだれでもひとつ
たとえサヨナラでも愛してる意味


自分の今の寂しさは
帰りたい場所が消えてゆくことだったのだと気づかされたのです。


けれど、自分には愛を教えてくれた人たちがいた
たとえサヨナラでも愛し愛された思いは残り続ける

そのことも改めて気づかせてくれた、みゆきさんの「誕生」でした。


Remember 生まれたこと
Remember 出逢ったこと
Remember 一緒に生きてたこと
そして覚えていること

「誕生」より by中島みゆき


いつも、最後思いが溢れ、半ば常軌を逸した大熱唱となってしまいます(^^;


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