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「待っちょったんじゃ」~甲本雅裕さん『カムカムエヴリバディ』

 

NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』

 

今週はあまりにも悲痛なシーンの連続に何度もテレビの前で泣きました。

ヒロイン安子の大切な人たちが次々と亡くなってしまう……。

戦争が無ければそんな理不尽な悲しみを味わうこともなかったはず。

分かっていたはずの戦争の罪深さを、改めて突き付けられました。

 

安子の父、金太役の甲本雅裕さんが本当に素晴らしかった。

妻と母を自分のせいで死なせてしまったと慟哭する金太。

金太の悲しみが突き刺さり涙が止まらなかった。

最後、夢の中?と思わせるような息子算太とのシーンも

親が子を想う愛しさと温もりと泣きたいような切なさが甲本さんの台詞や瞳から溢れて

やっぱり泣けて仕方ありませんでした。

 

甲本さん演じる金太が息子の算太に言うんですよね。

 

「わし、待っちょったんじゃ」

「ここを動かんと待っちょったんじゃ」

 

勘当していた算太の出征の日、頑固を通して見送らなかった金太。

それがどうしたって心残りで、戦後、空襲で焼けた実家跡で息子の帰りを待っていた。

ようやく帰って来た算太に、瞳を涙で潤ませながら嬉しそうに声を弾ませる。

 

後になってみればそれは、

既に金太が倒れた後の、金太の頭の中の現実ではないシーンで

実際には未だ算太は帰って来てはいないのですが、

算太の顔を見て、「待っちょった」と父としての思いを伝えることが出来て

皆生きていた頃を回想しながらの涙混じりの金太の笑顔に胸が一杯になりました。

 

終わり際、

金太の最期を告げるナレーションに「え!?⊙.☉」。

 

朝ドラを受けての『あさイチ鈴木奈穂子アナウンサーの号泣につられ

私も号泣でした。

 

……………

 

このドラマは現在、岡山が舞台ですが

始まってすぐ、交わされる台詞に懐かしさを覚えました。

両親の故郷である香川県小豆島で聞いた言葉に似ている気がしたのです。

 

物語の中で度々登場した「おえん」

最初に聞いた時「あ!」と思わず声を出してしまったほど懐かしかった。

夫は「おえんって、なに?」

「~~したらおえん」は「~~したらダメよ」というような意味合いです。

「おえん」は祖母や父がよく言っていました。

その他にもちょこちょこ懐かしい響きが。

 

昔は備前国(現在の岡山県東部)に属していたらしい小豆島ですから、名残があるのかもしれません。

 

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小豆島へは岡山からフェリーで。

港にはいつも父が迎えに来てくれました。

 

「待っちょったで」

今は亡き両親もそう言って待っていてくれたこと、思い出しました。

 

 

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