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卵焼きの味付けは砂糖?塩?~実家と義実家の食文化の違い


卵焼きは甘いのが好きか、しょっぱいのが好きか

という話題をテレビ番組で取り扱っているのを観て

ふと母と義母のことが頭に浮かんだ。


私が子どもだった頃の母の卵焼きは塩味。やがて出汁で味付ける出汁巻き卵に。

つまり甘くない卵焼きである。

卵焼きを作る際に砂糖を入れるという発想は母には無かったと思う。

私自身も卵焼きに甘いという概念はないまま成長。

江戸前の握り寿司の“玉子”を食べる時には、いつも微かに違和感を覚えながらだった。


片や、義母の卵焼きは砂糖たっぷりの甘いもの。

初めて作る様子を見た時、溶いた卵にドバドバと大量の砂糖を入れるのでビックリ。

まさにカルチャーショックだった。

鉄のフライパン、しかも高温で焼くものだから、砂糖が焦げて黒くまだら模様になっている。

口に入れるとお菓子の様に甘く、焦げはカラメルの様だった。


卵焼きが甘いかそうでないかは地域性もあるのだろうか。

私は関西と関東でそれぞれ暮らしたが、関西は塩や出汁で味付けする人が多く、関東は甘い(砂糖の)卵焼きを好む人が多い気がする。


……………


卵焼きに限らず、実家と義実家の食文化の違いは単純に関東と関西の違いでもあるだろう。(夫は関東、私は関西)

例えば、すき焼きの肉は夫の実家は豚肉だったが、我が実家は断然牛肉だった。

甘じょっぱい味に囲まれて育った夫と、薄味や出汁の味に慣れ親しんだ私。


また、性格や暮らしぶりなど真逆とも言える母と義母だったので

そんな母たちが取り仕切る食文化は自ずと違うということもある。

前にも書いたが、

例えば、母は一人一人の皿におかずを盛り付けたが

義母はたいてい大皿にドサッと盛る。

これに個別の取り皿でもあればよいのだが、そんなものは無く、皆で大皿のモノを各自の箸でつつくのである。

野菜炒めや煮物とかならまだいいが

焼き鮭を三切れとか切り分けていない大きな卵焼きを二つとか

それを大皿にドンと並べて、大人5人の食卓に出すのだ。

どうやって食べたらいいのかわからず戸惑っている私をしり目に

義父、義母、義妹、そして夫がやっぱり箸でつついて食べる。

大人5人に鮭三切れなので、一人一切れ食べてしまってはいけないことは皆了解していて、三分の一とか微妙に残す。

その残ったものを誰かがつついて食べる。

結局、これだけは最後まで慣れなかったな(;^ω^)


父は酒飲みだったので、実家の食卓には必ず酒のつまみが別に並んだ。

義父はお酒を飲まず食卓に酒類が並ぶことは皆無だったが、代わりに食後の果物は必須だった。

リンゴだったり梨だったり、その季節になればふんだんに旬のものを食べた。

食事が終わりそうになると、義母が台所から果物と包丁を持って来て、掌をまな板代わりに果物を切り分けた。

その器用で素早いこと。

母がそうするのを見たことが無かったので、初めて見た時にはその鮮やかな手さばきに痛く感心したものだ。


夫はお酒を飲むが、果物も大好き。

食後、果物の用意を面倒臭がらずやってくれる。

掌の上で器用に切り分ける様は義母譲りである。


そうそう、母と義母の食文化で共通するものが一つある。

うま味調味料(味の〇)の多用。

お浸しや漬物など、これをかければより美味しくなると、二人ともやたらパラパラ振りかけていた。


……………


ところで、

夫は義母の卵焼きで育ったので、卵焼きと言えば甘いもの。

しかし、結婚当初、私が作る卵焼きは塩味であることが多かった。

夫はそれに文句や注文をつけることは控えつつ

たまに甘い卵焼きを作った時には「美味しく出来てるねえ」と殊更に褒めた。(たとえ美味しくなかったとしても。実際、美味しくないことも多々)

そうした夫の地道な努力もあり(苦笑)

また、私自身も甘い卵焼き作りにようやく手慣れてきたのか

最近は、まあまあ上手く出来たと思えるようにもなった。


ちなみに、甘い卵焼き。

砂糖ばかりで味付けしても味がぼんやりして、さらに砂糖を加えたくなるが、それでは糖分過多でよろしくない。

塩をほんの少し加えるとキリッと味が締まり、甘味が増す。(今さら言うほどのことでもないでしょうが^^;)

“スイカに塩”と同じ原理、かな?



母はこうした卵焼き専用のフライパンを使っていたので、皆そういうものかと思っていたのですが、義母は丸い鉄のフライパンで一気にジャー!と焼いていましたね。なので、卵焼きというよりはオムレツかな?と思ったりしたけど、義母は「卵焼きだよ」と言っていました( ̄▽ ̄)



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