すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

「すき焼き」の肉は牛派?豚派?


今週のお題「肉」

ということで「すき焼き」にまつわる思い出。


両親は香川県出身。
四国が関西圏かどうかの明確な判定はわかりませんが
実家の食生活は概ね関西風でした。
関東は豚肉、関西は牛肉、とはよく言われることですが
「すき焼き」に限らず、両親にとって肉と言えば牛肉だったようで
当然、「すき焼き」であるならば牛肉一択。
その他の選択があろうなどとは考えることもなく大人になりました。


鉄のすき焼き鍋に牛脂を溶かし牛肉を広げる。
そこに砂糖と醤油と酒。
ジュージュー焼いてイイ感じに焼けたところで
あらかじめ割りほぐしておいた卵に肉をくぐらせ食べるのもいい。
続いて白菜、ネギ、春菊、椎茸などの野菜や糸こんにゃく、焼き豆腐も並べ
同じように砂糖、醤油、酒を振りかける。
しばらくすると野菜の水分が出てきてグツグツ煮えてくる。

兄や私はもちろん肉が一番の目当てだけれど
熱々の白菜やネギをハフハフしながら食べる美味しさはたまらない。
鍋の中身が少なくなると食材を追加し、砂糖や醤油、酒でまた味付けしながら食べる。
それらを取り仕切るのは鍋奉行の父の役割で、母と私たち兄妹はただ食べるだけ。

家族四人、食卓の真ん中で湯気を上げる鍋を囲み
臨場感に心躍らせながら兄と競うようにして食べたものです。
父は「ほれ、食べ」と私たちのお皿に肉をたくさん入れてくれて
でも、「これはワシにくれな」とトロトロになった牛脂を美味しそうに食べていたこと
懐かしく思い出されます。


やがて成人し、夫と結婚を決めた頃
夫の実家に初めて挨拶に行くことになりました。

昼食にお袋が「すき焼き」を用意してくれたらしいと夫に言われ
挨拶と言っても初めてだし軽く顔を合わせられたらいいなぐらいに考えていて
わざわざ「すき焼き」を用意してもらって申し訳ないと思いました。
それに初めて会う夫のお父さんやお母さんと一つの鍋をつつくのもちょっとハードルが高い。

ドキドキしながら訪問し、応接間に通され、夫と二人しばらく待っていたら
お義母さんが大きめのアルミの両手鍋を抱えて部屋に入ってきました。
そしてテーブルの上に鍋をドンと置きながら「ハイ、食べて」と言うと
そのまま部屋を出て行ってしまったのです。

(え?)(⊙ˍ⊙)


一瞬訳がわからずにいると、夫が鍋の中をのぞき「すき焼きみたい」。
「え?」と言いながら自分も鍋の中をのぞきました。


あれ?これは肉じゃが??
いや、ジャガイモは入っていない
代わりに白菜が入っている
ネギも糸こんにゃくも入っている

ということは「すき焼き」

アレ?
でも、これは 豚肉??

ということは、やっぱり肉じゃが?
いや、ジャガイモは入ってない

え?
これが「すき焼き」?

ていうか
鍋で煮込んでる??

え?
「すき焼き」って煮込み料理だったっけ??


声には出しませんでしたが、頭の中を(?)が駆け巡りました。

美味しかったです。
美味しかったですけど、最後まで腑に落ちない感でいっぱいでした。


その後、知るのです。食文化の違いを。

夫の実家は北関東。
関東では「すき焼き」の肉は普通に豚肉もあること。
というより豚肉が普通なのかな。

それから「割り下」で「すき焼き」を作るということ。
「割り下」を他の鍋物や丼物で用いるのは知っていましたが
「すき焼き」でも有りとは思わなかった。無知でした(;^ω^)
義母は「割り下」で作ってくれたのだと思います。
これは関東に限らないのかな?


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父の「すき焼き」を何度も食べた夫。
我が家で「すき焼き」を食べる際は夫が鍋奉行になり、父のやり方で作ってくれます。
なかなか上手です( ̄︶ ̄)↗ 


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