すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

再び、「愚痴」を考える

 

再び、「愚痴」

 

前回の記事 

komakusa22.hatenablog.com

 

このような記事を書きながらであるが、

元々自分は、自分自身が愚痴ることを良しとしてこなかった。

愚痴ったところで何も変わらない。

そうして後ろ向きの言葉を吐くことで、ますます負のスパイラルにはまる。

それより少しでも前向きに捉え、前向きの言葉を言おう。

そうすればきっと良い方向へ向かう。 なんてね。

そうやって母親に育てられた影響もあるだろう。

実際問題として、そういう考え方や生き方は能天気な自分には合っていたと思われ

そうする方が自分には楽だった。

其処に留まって負の感情を持ち続けることがしんどい。

嫌なことはサッサと切り離して忘れ去りたいのだ。

「前向きに捉える」という一見ポジティブでありながら

負のオーラから遠ざかりたいという「逃げ」であるのかもしれない。

大抵のことを(自分の都合のいい様に)前向きに捉え、あっけらかんと生きている私を見て

調子のいい人間だと疎ましく思う人もいたかもしれないな。

 

まぁ、そうは言っても、そこはそれ、調子のいい人間だからつい愚痴るのだけど

それが大切なことだとは思うはずもなかった。

 

そんな自分だったから

「愚痴が正気を保ち、先の見えない現実を生きる助けになる」に、けっこうな衝撃を受ける。

ただ、闘病中の友人と会う中でそれを目の当たりにし、確かにそうであると深く納得。

「愚痴」一つとってもこんなにも深いのかとおのれの考えの浅さを知らされたわけで。

 

 

さて、

実はもう一人「愚痴」で思い出した友人がいた。

40歳を過ぎて知り合った彼女とは共通の趣味で仲良くなった。

他にも数名。皆で楽しく交流し、趣味以外にも旅行や食事などに出かけた。

彼女はとても繊細で、周囲に細かく気を配る人。そして真面目。

ただ、あまりにも気がつくゆえか、他の人の言動に過剰反応気味なところが。

そして、これも真面目ゆえなのだろう。自分が納得できないことに対し、ひとこと言わずにいられない。

だから、あちらこちらで小さな衝突を繰り返した。

性格的に真逆とも言える私のことは端から諦めていたのか、逆に面白がってくれたのか

私たちの間では諍いが起こることもなく、あれこれと親切にしてもらったものだ。

今思うと、彼女にはずい分と気を遣ってもらっていた。

 

ただ、彼女は「愚痴」の多い人だった。

人以上に気がつき、人以上に気を遣い、人以上に繊細。

彼女を呆れさせ、悲しませ、憤慨させることが次々と起こり

その度彼女は人と揉め、その後、傷ついた心で私に愚痴った。

大抵の場合、私はふんふんと聞くだけ。

彼女の怒りの内容が自分にとってあまり共感するものではなかったし

傷ついた彼女に同情する気持ちで「大変だったね」と言うくらい。

そんなふうだったけど、多分彼女は愚痴を言うことで少しは気が晴れたのだろう。

 

仲良くなって十年後くらいだったか、闘病中だった彼女のご主人が亡くなった。

それと同時に、彼女の「愚痴」がそれまで以上に頻度や激しさを増した。

義実家、友人、職場、近所の人たちへの不満を並べて、止まらない。

少しは元気になって貰えればと誘ったレストランの料理の味付けに文句を言い

一緒に食べていた私たちの気分を曇らせる。

まるで、全てを敵とみなし周囲に牙をむいているかのようにも見えた。

それでも、

あまりにも悲しみが深過ぎて、今の彼女は本当の彼女じゃないのだろう。

愚痴を聞くことで彼女の気持ちが楽になればいい。今は見守ろうと思った。

 

そんな最中、突然彼女が訪ねて来る。

そもそも上手くいっていなかった義実家とは葬儀のことなどで揉めて決裂したこと

その後の義両親のやり方があんまりなこと

最後には自分の実家での不満も加わり

ずっと聞き続けて、気がついたらけっこうな時間が経っていた。

 

頭痛がした。

何だか動悸もして、気分が酷く落ち込んだ。

 

昼過ぎに来て夕方になってしまったし

いつも独りでご飯だろうからたまには一緒にどうかなと思い

「残り物だけどカレー食べてく?」と訊くと

「いいの?悪いね。じゃあご馳走になるわ」と笑顔の彼女。

楽しく食べようと思ったけど

食べながらご飯が炊き立てでないことに不満を漏らされて。

ああ、やっぱりか…、と。

 

さすがにしんどくなった。

このまま一緒にいると彼女の負のオーラに取り込まれて具合が悪くなる。

申し訳ないけど、心底そう思ったのだ。

 

自分の度量じゃ彼女の「愚痴」を受け止めきれない。

そう思って、そっと離れることを選んだ。

 

 

彼女は今どうしているだろう。

実家に帰っていると他の人から聞いたけど。

以前の彼女に戻っているのだろうか。

 

「愚痴が正気を保ち、先の見えない現実を生きる助けになる」

 

愚痴を吐くことで彼女も正気を保っていたのだろうか。

それで生きる助けになったのならいい。

 

しかし、

身近で愚痴を受け止める人はどうなんだろうと思ったりする。

 

 

前記事と今回と。

だからどうだという様な結論はありません。 悪しからず…(^^;)

 

f:id:komakusa22:20200805180852j:plain

 


にほんブログ村 ライフスタイルブログ ささやかな暮らしへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ こころの風景へ

ポチいただけると嬉しいです(^^)/

 

PVアクセスランキング にほんブログ村