すっとんきょうでゴメンナサイ

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NHK朝ドラ『あんぱん』~やなせたかしさん、あなたこそがアンパンマン


NHK朝ドラ『あんぱん』が始まりました。



やなせたかしさんとさんご夫婦がモデルと知り、楽しみにしていました。

アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった二人の人生。
何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気の物語です。(NHK公式サイトより)


第1回目の始まりは次の様なナレーションから


正義は逆転する
信じられないことだけど
正義は簡単にひっくり返ってしまうことがある
じゃあ、決してひっくり返らない正義ってなんだろう
お腹を空かせて困っている人がいたら
一切れのパンを届けてあげることだ


それを聞いてずい分前に観たテレビ番組を思い出しました。

強く心に残り、当時ブログにも記しました。

長くなりますが再掲載させていただこうと思いますm(__)m


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(2014.1.10記)


新しい年の初めに観た
「みんなの夢まもるため」~やなせたかしアンパンマン人生”~


なんのために生まれて
なにをして生きるのか
こたえられないなんて
そんなのはいやだ


今を生きることで
熱いこころ 燃える
だから君はいくんだ ほほえんで


そうだ うれしいんだ 生きるよろこび
たとえ胸の傷がいたんでも
ああ アンパンマン やさしい君は
いけ みんなの夢まもるため


by やなせたかし  「アンパンマンのマーチ」より


アンパンマンは娘たちが大好きだった心優しきヒーロー。
未熟な母であった私もただただ気忙しい家事、育児の合い間に
娘たちの背中越しにアンパンマンを観ながら、心がホッと穏やかに癒された。
主題歌である「アンパンマンのマーチ」も何度歌ったことだろう。
明るいメロディ、弾むリズム、力強い歌詞に、いつも気がつけば励まされ勇気づけられた気がする。

しかし、
そんな楽しく夢いっぱいのお話を届け続けてくれて、昨年94歳で亡くなったやなせたかしさんの人生は
愛する身内との度重なる別れ、そして過酷な戦争体験など、苦難の連続であられた。
特に戦争体験で受けた衝撃はやなせさんの心から消えることはなく
自分は何故生き残ったのか
人間はなんのために生きるのか
人は何故戦争するのか
常にそんな思いを抱えながら仕事に向き合われていたと言う。

正義の戦争だと信じていたやなせさんは敗戦で大きく考えが変わる。
戦場での強烈な飢えの記憶から、本当の正義とは何か?
もし正義であるなら真っ先に空腹の人を救うべきだということを痛感して「アンパンマン」が生まれる。
アンパンマンは元々は大人に向けて書かれた話だったが、自らを犠牲にして人を助けるヒーローは全く注目されなかった。
その後少し姿を変えながら、書き始めて20年、
やなせさん69歳の時に小さい子どもたちがアンパンマンの魅力に気づくことになる。
たとえ弱くても誰かのために戦う心優しいヒーローである。

アンパンマンはスーパーマンのようなヒーローではありません
みんなに顔をちぎって食べさせてあげると自分の力はパワーダウンしてヘナヘナとなってしまう
非常にボロボロになって格好悪さを見せるヒーローであります

やなせさんはそう言われたそうだ。


絶望の隣りには希望がそっと座っている
一寸先は闇でも その一寸先には光がある


生前、度々口にされたというやなせさんの言葉である。
アンパンマンを通して伝えたかったのは「希望」でもあるのだろうか。

番組の最初、
絶望せずに まず一歩進むこと
ぼくはまだまだ希望はあると思う
それを信じないと生きていかれない

と、やなせさんご自身が少し激しい口調でおっしゃられている。
「希望」を明るく語るやなせさんであったが
苦難の人生の中で、まさにやなせさんにとってこそ「希望」を信じることが支えだったのではないかと胸に強く響いた。


東日本大震災の時、「アンパンマンのマーチ」が被災地の方々を勇気づけ
また、92歳のやなせさんご自身も被災地への支援を多くなさった。
いくつもの病と向き合いながら、最後まで命を削るようにアンパンマンを書き続けられたやなせたかしさん。

「たとえ傷つき心で泣いていても、まわりに笑顔を届けつづけたやなせ先生。
94年間お疲れ様でした。あなたこそがアンパンマンです」

同じ漫画家の里中満智子さんが送られた言葉である。


何のために生まれて
何をして生きるのか
アンパンマンのマーチは明るく高らかに歌うけれど、こうして文字にするとナント哲学的。
その“何”が何なのか
正直、自分には未だ掴むことの出来ないややこしいモンダイである。

けれど、
今生きている、そのことの素晴らしさ
今生きている、そのことの喜び
生きてるって素敵だよと
ただそのことを
やなせたかしさんは伝えてくれているのかな。


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始まったばかりの『あんぱん』ですが
嵩(たかし)の子ども時代を演じる役者さんの演技に既に泣かされています。

のめり込む予感大です。


それにしても朝ドラ(大河ドラマなどもそうですが)
実際の人物がモデルの物語の方がやっぱり刺激的で面白いのかなぁ(いえ、前回がどうだったかというような話ではなくて^^;)

「事実は小説より奇なり」って言いますしね( ▔, ▔ )



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