すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

長女、4ヶ月ぶりに帰って来る

 

ほぼ4ヶ月ぶりに長女が帰って来た。

顔を見るのは父の告別式以来。

それにちゃっかり便乗するように、前日自宅アパートに戻った三女も、また来た(笑)

 

「これ、お父さんとお母さんに」

そう言って長女が差し出したのはインターネット専用のギフトカード、V-プリカ。

ネットでの買い物に使えるプリペイドカードだそう。

思いがけないプレゼントに驚き、嬉しい反面、貰っていいのかと一瞬躊躇ったが

ポイントで換えたから気にしないでと言うので、では、と、有難く戴いた。

遠く離れた場所で看護師として忙しく働く長女。

日頃は音沙汰も無く、無事でいてくれればそれでいいと親は思っているが

親の事を気にかけてくれていたことが心から嬉しかった。

留守中の夫へのカードには言葉も添えて。

 

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似た者同士の夫と長女は様々なシチュエーションで実は誰よりも分かり合っている。

ところが、思春期以降、事が起こり揉める度に長女は夫と距離をとるようになった。

似ているがゆえに、父親の思惑や感情が手に取るようにわかり

苛立ちが増幅するかのようだった。

長女にとって父親は出来るだけ関わりたくない存在。

なので、夫が自宅に居る時は帰って来ない。それはもう徹底して。

夫は夫で長女の事をあえて話題にせず、気にしないふうを装っている。

そして、自分の留守にやってくる長女の様子をさり気なく聞いては

元気にやっているならいいと思っているようだ。

 

そんな娘からのプレゼントである。

しかも自分を気遣ってくれる言葉を添えての。

嬉しさでほころぶ夫の顔が既にもう見えるようで

長女の心優しい計らいに感謝した。

 

 

最近の出来事や末娘のこともあって、長女とコロナ鬱について話した。

新型コロナウイルス感染拡大により当たり前にあった人との関りが断たれたこと

それの及ぼす影響はきっと想像以上に大きいのではないかということ。

人との関りは楽しいことばかりではないが

人は人によって救われるというのもまた事実だと思う。

鬱屈した思いを抱え、誰にも吐露出来ず、苦しみの中にいる時

しかし、傍らに誰かがいることで、誰かと何気ない言葉を交わすことで

ほんの少しでも心が和らぎ、ほんの一瞬でも沈んだ思いが晴れ

自身の問題は解決しないまでも

その時をやり過ごせるということ、あるのではないだろうか。

もちろん、単純に語れるはずもないが

そうして知らず知らず人は人によって救われ日々を生きているということ、

自分自身の経験からも、あると思っている。

それが今、

それまでの当たり前だった人との関りを失い

独り、内向していく危うさを抱えている人が少なからずいるのではないかと。

 

 

そんな話の中で長女が

「私は独りでいること、平気なんだよね」と言った。

実は母親の私もそう。

誰かとつるんでいなければ不安というのではなく

たとえ独りとなっても自分の信念に正直に行動して欲しいと娘たちにも願った。

そんな母親に育てられ、加えて、持って生まれた気質もあったろう。

家族の誰よりもマイペースを貫く長女である。

さもありなんと聞いていたら

「自分が本当に困った時にはお父さんやお母さんが助けてくれると思っているから」

とさらりと言う。

今やすっかり自立し、親に頼ることなどほとんど無い娘である。

甘えなどではないことは分かっている。

そうではなく、根っこのところで私たち親を信頼してくれているのだと。

それを知り、心が熱くなった。

初めての子どもで長女に対してはあまりにも未熟な親だったのに

そんなふうに思ってくれていることが申し訳ないほどに有難かった。

泣きそうなのを堪えながら「そう思ってくれてお母さんも嬉しい」と言うのが精一杯。

 

それもまた長女からの、何よりのプレゼントだった。

 

 

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