【今週のお題】読書感想文 もひとつ( ̄▽ ̄)
2008年8月~「漫画アクション」に連載され、2011年には映画化もされました。
簡単に言ってしまえば、犬とその飼い主である人間との物語、です。
犬の、飼い主に対する切ないほどの真っ直ぐな慕情に涙しました。
そして、前半は「お父さん」の犬への愛情に心が温かくなり、
けれど後半、犬をきちんと愛し切れない人間の心の傷に、自分の中にも同じ痛みが蘇るのでした。
そんなふうに一回目読み終えて、ただ、当時テレビなどで紹介されたようには“号泣”しなかった。
だけど、何だか何か別の、でもよくわからない重いものが心に残ったのです。
その後、二回目を読む前に「あとがき」に目を通した時、
何だかわからない、悔しいような悲しいような気持ちの訳がわかりました。
「あとがき」からです。
作中の「お父さん」は、こんな結末を迎えなくちゃならないほど悪人じゃありません。
ちょっと不器用だけど、普通に真面目なタイプ。
ただ、ほんの少し、家族や社会の変化に対応することを面倒くさがったり、
自分を変えることが苦手だったり…というだけで、
昔なら、いたって平均的ないいお父さんです。
しかし、今ではそれが十分「普通の生活」を失う理由になり得るようで、
本当につまらないことになってきたなあと思うのです。
ちやほやしろとは言いませんが、普通に真面目に生きている人が、
理不尽に苦しい立場に追いやられていくような、そんな世の中だけは、勘弁してほしい。
と、やるべきことすらちゃんと出来ていないダメな僕は、切に思うのです。
辛い状況であっても前向きに明るく、
そして、犬をパートナーとして最後まで愛することを忘れなかった「お父さん」の結末が何故こうでなきゃいけないのかと、
私はそれが悔しくて悲しかったのです。
そう思うと、二回目は涙が溢れて止まらなかった。
普通に真面目に生きている人が、理不尽に苦しい立場に追いやられていくような、そんな世の中だけは、勘弁してほしい
本当にそう思う。
「星守る犬」とは、
犬が星を物欲しげに見続けている姿から、手に入らないものを求める人のことを表すそうです。
作中に、
望んでも 望んでも かなわないから 望み続ける
ただ それだけ
人は皆 生きてゆくかぎり 「星守る犬」だ
とありました。
かなわない望みをいつまでも望み続ける、
不器用で、でも心優しきものたちが、幸せであって欲しい。
そんなことも思いました。
再び「あとがき」から。
お父さんの旅立ちには、せめてものはなむけに、
海辺のごきげんなドライブと素晴らしいパートナーを用意しました。
計算やかけひきなしで、こっちが申し訳なくなるくらい、まっすぐに慕ってくれる犬。
僕自身も愛犬にどれだけ救われてきたか知れません。
傍らに犬。
二人は絶対に幸せだったと思います。
負け犬の遠吠えじゃなく。
これもまた、著者の伝えたかったことだったのでしょう。
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