すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

「秋の歌」二つ


今週のお題「秋の歌」

「自分にとって秋の歌は?」と考えた時
忘れっぽくなっているせいもありすぐには浮かばなくて
歳だなあと我ながらちょっとガッカリ

うーーん( ̄、 ̄)と考えて
そうそう!と出てきた答え


「秋の気配」

1977年8月にリリースされたオフコースのシングル


オフコースの音楽を知ったのはそれより前の高校生の時
メンバーは小田和正さんと鈴木康博さんの二人で
ラジオから聴こえてきた「眠れぬ夜」だった
拓郎や陽水やかぐや姫とは違う都会的な空気感を漂わせる旋律に引き込まれ
小田さんの透明感ある歌声と鈴木さんとの洗練されたハーモニーに心を奪われた


あれがあなたの好きな場所
港が見下ろせるこだかい公園


で始まる「秋の気配」

美しく儚げな旋律
恋人たちが見つめるセンチメンタルな光景に
初っ端から胸がキューーン

しかし、
次の瞬間から物語は「秋の気配」ならぬただならぬ気配を帯びることとなる

やがて、それは別れの気配へ
残酷で決定的な言葉の数々


こんなことは今までなかった
ぼくがあなたから離れてゆく


え?
「ぼく」が「あなた」のことを好きでなくなった歌??


こんなことは今までなかった
別れの言葉をさがしてる


失恋の歌は多くあるけれど
どちらかと言えばフラれた側からの悲痛を描くイメージがあった

今でも好きだよ
でもなんとか忘れるよ
どうか幸せになっておくれ
そんな思いを切々と歌う


だけど小田さんはフる側から歌っている
「あなた」と別れたいと歌っている
それって歌う必要ある?

そんなふうに思った憶えがある


フラれるだけで悲しいのに
せめてそっとフッてあげて欲しい
歌になんかしないで


それで最後に言われちゃうんです


あゝ嘘でもいいから
ほほえむふりをして

ぼくのせいいっぱいのやさしさを
あなたは受けとめる筈もない


はぁ……?
どういうこと?


嘘でもいいからそこはほほえむべきだろう、とか
「ぼく」が与えるせいいっぱいのやさしさ、とか
すごく上から目線に感じるのは自分がひねくれてる?(~_~;)

それでもって
「あなた」は「ぼく」のやさしさを結局わからないだろうって呆れてみせて

「ぼく」の立ち位置って何?
って突っ込みたくなった


こんなことは今までなかった
ぼくがあなたから離れてゆく


小田さんの透き通った声が
自身の別れを歌う「ぼく」の他人事感を爽やかに増している気がして
なんだかなぁと思ったり


それでも
きっと誰にでもある好きだった人から気持ちが離れていく感情を真っ直ぐに表現する
この歌の正直さを認めざるを得ない感覚もあり


フる側の傲慢さを感じて心の何処かでちょっと嫌だけど

「秋の気配」
つい口ずさんでしまうのは何故だろう


実は大好きです…(*´з`)


この歌の自分なりの解釈
的外れかもしれません
どうぞご容赦をm(__)m


……………


昨日は3年前に亡くなった母の誕生日でした

母が若い頃からよく口ずさんでいた「里の秋」
二十歳そこそこで父と結婚し
故郷を離れ、愛し慈しんでくれた親とも離れ
長年都会で暮らしてきた母
山あいの村で育った母にとり「里の秋」は
切なく思慕する情景だったと思う


しずかなしずかな 里の秋
おせどに木の実の 落ちる夜は
ああ かあさんと ただ二人
栗の実にてます いろりばた

「里の秋」より 作詞:斎藤信夫 作曲:海沼実


小学校では皆の代表として歌を歌ったことがあると
度々自慢していた母でしたが
キンキンと甲高い声色に音程も微妙に外れ気味で
とてもそうとは信じがたかったなぁ(;^ω^)

それでも母が歌う「里の秋」で
自分もこの歌を好きになったのは確か

母のすっとんきょうな歌声が懐かしいです(笑)



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先日、両親のお墓参りがてら長野県諏訪の方を回って来ました。
その際訪れた原田泰治美術館のパンフレットに掲載されていた原田泰治さんの絵。
「あかね色の電車」のタイトルがついています。
母の故郷は瀬戸内の島で、電車こそ走っていませんでしたが
きっとこんな「里の秋」だったのではと思います。


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