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原田美枝子さん/「愛のカタチ」~愛子(まなご)の名を忘れ、我が名を忘れ


夕方の情報番組に原田美枝子さんが出演されていた。

最新作の主演映画『百花』(2022年9月9日公開)では
認知症を発症した女性を演じられたそうだ。


インタビューの中で
認知症だったお母さまを介護されていたことも話されていた。


ある日会いに行くと、いろいろなことを忘れていたお母さまが
「わたし、15歳から女優やってるの」と突然言い出して
原田さんはとても驚いたそう。

15歳から女優やっていたのは娘の原田さんのことで

母は娘である自分を通して人生を生きて来たのかと
改めて母の人生を思ったと原田さんはおっしゃっていた。


母に支えられて今の自分がある

その陰で、家族の為に(だけ)生きて来た母

母は、自分が主役の人生を生きて来たのだろうか


そう思った原田さんは
お母さまが主役の映画を作られたそうだ。



原田美枝子さんは自分と同い年。

親のことや自分自身のこと
取り巻く状況はとても似ていて
身近に感じながら彼女の話を聞いた。


実の母や義母の人生はどうだったのだろう。

私の人生はどうなのだろう。

そんなことを思った。


……………


カラオケでよく歌う歌の一つに「愛のカタチ」がある。


以前、記事にしたのはMISIAさんの「アイノカタチ」。

komakusa22.hatenablog.com


それで「愛のカタチ」

作詞・作曲・歌 中村つよし

中村氏のリリースがいつなのかはわからないが、その後他の歌手もカバーしている。

中村氏の祖母が、認知症を発症してからも長年連れ添った夫の名前を生涯忘れなかったという実話を基に作られたそうだ。


愛なんて あたしには
愛なんて似合わないけれど
一人で居る時にあなたを思う事が
愛ならば これは愛です


あなたが教えてくれた事
言葉には 何もないけれど
あなたが教えてくれた事
それは本当の「愛のカタチ」


ここでいつも浮かぶのは両親のこと。

言葉に出来ないものをたくさん教えてくれた。

そのカタチは見えないけれど、確かに「愛のカタチ」だったなあと
胸が熱くなる。


そして、


幾年老いて あたしの記憶を
病が徒(いたずら)に食らえども
愛子(まなご)の名を忘れ 我が名を忘れ
それでもあなたを忘れません


歌いながら、その少し前に会いに行った義母のことが思い出され泣きそうになった。

愛情深く育てた息子(夫)のことを忘れてしまった義母が可哀想で仕方なかった。

そして、
そんな義母の心の中に今も温かく在り続けるものは何だろうと考えながら
我が事の様に切なくなるのだった。



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