すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

叔父ちゃんの「家族葬」


義母の弟、夫にとっては叔父が先日亡くなりました。享年86歳。


その日の夜に叔父の長男(夫にとっては従兄弟)から連絡があり
本来、義母が元気に実家で暮らせていれば義母に連絡が行ったのでしょうが
施設に入所して連絡がつかないので、県外に住む夫に。


今は斎場に安置されていること。
通夜は行わず、三日後に告別式。
家族葬で子ども、孫、その配偶者だけで送るので
申し訳ないけれど皆さんの参列はご遠慮願うこと。
ただ告別式までの間、来てもらえればお参りは出来ること。

叔父には姉が二人、妹が一人存命で
同じように連絡させて頂いたとのことでした。


それがその斎場の家族葬の形なのかわかりませんが
叔父は告別式まで一人安置されていて、遺族が見守ることもなく。
又、お参りや焼香に来た人にも遺族は立ち会う必要はなく。
つまり、ちょいと意地悪な見方をすれば、預けっぱなし、任せっぱなしと言えなくもないような……?

夫から話を聞いて少し寂しさを感じたのは正直なところ。


でも、いろいろな事情でそういうのが有難い
或いはそうせざるを得ない人もいるのでしょう。

従兄弟も県外に住んでいるので
父親の地元で葬式を執り行うのは大変だったでしょうから。

残された家族の選択に部外者があれこれ言うことではありません。



それでも、

叔父がたった一人で斎場に寝かされているのかと思うとやっぱり可哀想で
せめて最後に顔を見てお別れしたいと
告別式の前に会いに行きました。


2時間半ほどの道のり。車の中で夫と叔父の思い出話。

5人の姉妹に挟まれ、たった一人の男の子。
元気者揃いの姉妹をにこやかで穏やかな人柄で上手に統率しながら
本家をしっかりと守って来ました。

姉妹からも甥や姪からも信頼され、皆、叔父にはたくさん世話になったと思います。
義父亡き後、一人暮らしの義母の近くに叔父が居てくれてどんなに心強かったか。

私には義理の関係でしたが、いつも明るく話しかけてくれて嬉しかった。


斎場に着き、叔父の名前と共にお線香をあげたいと申し出ると「こちらへ」。
案内された10畳ほどの部屋には何故か知らない方々。それも10人ぐらい。
皆さん、神妙に椅子に座り、泣いておられる人も。
叔父の知り合いの方?と思いながら部屋の奥に目をやると、4つの丸い扉が並んでいて
一番奥の扉の前には叔父の写真。

係員の人が静かに扉を開け、叔父が眠る台を引き出してくれました。

こういうことかと内心唖然。
ということは他の3つの扉の奥にはそれぞれ別の方が眠っておられる?
そうか。座っておられる方々はそちらの関係者ということ?


お線香をあげ、目を閉じた叔父の顔に「お疲れ様でした。お世話になりました」と語りかけました。

体調が悪化し入院する直前まで、妻を支え家事をも担ってきた叔父だったので
「ご立派でした」とも。

生前、ハンサムだった顔はすっかり小さくなっていました。



それにしても、

それほど大きくないスペースに4人が眠っておられるということか。
それでもって、タイミングによっては、見ず知らずの方のご遺体を見たり、見ず知らずの方に見られたり?

現に、叔父は見ず知らずの10人ほどの方々に最期の姿をチラ見されたわけで
夫や私の語りかけも多分しっかり聞かれただろう。
と言うか、そんな状況だったのでお別れもゆっくり出来なかったな。


それってどうなの?
それでいいのかぁ??

いいのか……


なんだかなぁと思いながら斎場を後にしました。


でもまあ、
たった一人で寝かされていると思ったけど、お仲間(?)もいて
入れ代わり立ち代わり、なかなかに賑やかな(?)環境で
寂しくはないのかな(;^ω^)

「叔父ちゃん、居心地はどうですか?」と聞いてみたかった。



葬式の形も今や様々なのですね。驚きました。


実の両親も「家族葬」でしたが
4年前と2年前に行ったそれは、従来の葬式の形で参列者は家族や親族だけというものでした。
夜は両親の傍らでゆっくりと過ごし
通夜、告別式は気心の知れた家族や親族と心ゆくまで祈ることが出来ました。
そして、その場にいた皆で気持ちを一つにして見送ることが出来た。
今でも思い出すと温かい気持ちになります。



コロナ禍の今。
家族葬」の需要は増えているのかな。

今後は家族のあり方の変化や多様な価値観により
家族葬」の形もますます様々になっていくのかもしれませんね。


……………



ところで、従兄弟から家族葬の話を聞いた時

実は、夫や私の心をざわつかせたのが
叔父と血が繋がる伯母たちが叔父を見送ってあげられないことでした。

家族葬って言うなら兄妹だって子どもと同じくらい身近な家族なんじゃない?
甥や姪は遠慮するけど、血の繋がった兄妹が最期に会って見送れないって悲し過ぎる……

そんな思いが過ったのです。


確かに、姉の一人(伯母)は遠方にいて
90歳を超え足腰もすっかり弱くなったようで
そうでなくても、おそらく参列は出来なかったと思います。

もう一人の姉、つまり義母も車椅子。
しかも施設に入所しているのでコロナのことを考えれば参列は難しいのかもしれない。

ただ、地元で叔父の近くに住んでいた叔母は晩年もずっと円満に付き合って来て
きっとお兄さんの最期を見送りたいはず。
なのに、ご遠慮くださいなんて、叔母がかわいそう……


なーんて、苦い思いでいたのですが
結局、叔母は参列出来るようになったのでした。(まあ、そうでしょうねぇ)

多分、地元の甥姪からクレームが出たんじゃないかしらって思ってる(*´з`)(叔母ちゃんがどうして参列しちゃダメなの!って)

いや、部外者があれこれ言っちゃあダメなんですけどね( ̄▽ ̄;)



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