少し前から週に一度ヨガに通っている。
学生時代はバスケットボール、
そして子育てをしながら40代までバドミントンにのめり込んできたが、
腰や膝を痛めてからは体に重い負担のかかるスポーツが出来なくなってしまった。
ジムで無理のない程度に体を動かしたり、ウォーキングを心がけたり、である。
しかし、
そんな自己流では合理的な何かが欠けているのか、
それとも運動量が足りないのか、
背中を覆うみっともないお肉や重力により溜まる下半身のお肉がいっこうになくならず、ずっと気になっていた。
そんな時、ヨガ教室の案内を見つけた。
ヨガは健康的に痩せるらしいと以前から聞いていた。
長年ヨガをやっている友だちも確かにスリムで美しい体型をしている。
しかも今回、そのヨガ教室は50歳以上からの“シニア・ヨガ教室”なのである。
今までもヨガ教室はいろいろな所で見かけたが、
人さまと比べて異常に体が硬い自分にとって、
あんなにクネクネと体をよじったりペターンと折り曲げたりってかなりハードに思えて、
教室のお荷物になるのは目に見えており、そこに飛び込む勇気が出なかった。
ところが今回は何度も言うようだが“シニア・ヨガ”!
最初からちょっとハードルが下がっている気がする。
無理をせずゆっくり楽しみましょう、とも書いてある。
というわけで早速申し込んだという次第。
これがなかなか良くて、若く可愛らしい先生は常に
「無理しないでくださいね~」「痛くなる前でやめてくださいね~」とおっしゃってくださる。
本来はヨガのポーズを正しく直して下さるそうなのだが「それはしません」と。
そりゃそうなのである。
私などはずい分若い方で、60代、70代の方もいらっしゃるようだ。
膝が曲がらず正座が困難な方もおられる。
そんな方にとって正座で行うポーズは苦痛でしかないわけで、そんな時には「長座でけっこうです~」なのだ。
無理をせず、出来る範囲で体を動かしポーズをとる。
それでも時折、「余裕のある方はどうぞ~。ハイ!チャレンジィ~~」と、
少し負荷のかかるポーズでやる気を高めてくれる。
ゆるゆるとゆったりと無理をしない。
でも意外と運動量もあるように思う。
縮こまった筋肉が伸びていくのを感じる。
背筋や骨盤がスッと立ち上がるようでもある。
そうして1時間半くらい動いていると心地良い疲れがじんわりと体を包み、
いよいよ終盤、
待ってましたとばかりに“屍(しかばね)のポーズ”で横たわるのが、実は何よりの楽しみ。
これがまた気持ち良くて!
仰向けになり両足を適度に開く
両手は体の横の少し離したところに置き、手のひらを上に向ける
目を閉じて重力の作用に身を委ねるように休む
全身の力を抜きリラックスしていく自分自身を感じる
このポーズで数分。
ただ天井向いて寝ているかのようだが、
手のひらを上に向けるとか、
体中の重みを全て大地にあずけるかのように意識することで、
その作用、効果は大いに違うようだ。
初回、私は何度も眠りに落ちそうになった。
実際何処からかいびきが聴こえる時もある。
疲れている主婦を一瞬で眠りに誘う“屍のポーズ”
これを知っただけでもヨガをやって良かったと思える。
余談ですが、
“シニア・ヨガ”を始めるにあたって夫に相談した際、
たいてい、あ~いいんじゃないと言う夫が
「何、それ~!?」と珍しく露骨に嫌な顔をするので、
「何それって、ヨガだよ」と当たり前なことを返すと、
「どうしてヨガを深夜にするわけ?」と不審そうな顔・・。
「 ? 」
いやいやいや、シ・ニ・ア・ヨガだから!
深夜ヨガじゃないから!
深夜ヨガは そりゃ怪しいわ・・