毎朝のように外から聞こえてくる泣き声がありました。
その主は3歳になるかならないかの幼い男の子。
まだ若いお母さんは下のお子さんを抱っこひもで抱え、両手にはたくさんの荷物。
お兄ちゃんの手を取ってあげられません。
保育園に行くのでしょう。
小さな体より一回り大きなリュックを背負い、駐車場を通って車まで。
トボトボ歩きながら、立ち止まりながら、ずっと泣き続けていました。
お母さんは特に叱ることもなく急かすこともなくゆっくりと前を歩き
彼が車に乗り込むまでじっと待ってあげている。
夕方は夕方でまたそれを逆回ししたかのような有り様。
いつもの時間に泣き声が聞こえると思わず窓のそばに立ち
ばあばの様な気分でカーテンの陰から見守っていました。
やがて弟くんは歩くようになり、少し大きくなったお兄ちゃん。
それでも彼の朝のルーティンは相変わらず。
泣いてぐずぐずなお兄ちゃんとお母さんの傍で物分かり良さそうに歩く弟くん。
その対比に、お兄ちゃん頑張れと応援したい気持ちにもなりました。
下の子ってこうだよなあ、お兄ちゃん(お姉ちゃん)が叱られてるのを見て、こうしたらダメなんだと学ぶんだよなあ
それでも、若いお母さんはいつもの様に鷹揚と言うか
ぐずぐずなお兄ちゃんを待って受け入れている感じが偉いなあと思っていました。
それから数ヶ月?いや、一年は経ったのかな?
気がつくと毎朝と毎夕の泣き声が聞こえなくなっていました。
ある朝何気なく駐車場を見るとその親子さんの姿。
さらに大きくなったお兄ちゃんと弟くん。
背負うリュックもジャストサイズでキビキビと歩くお兄ちゃんの後ろ姿はいつの間にか頼もしくなっていて
おとなしかった弟くんはちょっとヤンチャになっている。
夕方保育園帰り、お母さんを手伝おうと、自分の持ち物以外にスーパーの袋を持ってあげているお兄ちゃんを見た時にはちょっと感動してしまいました。
おお、大きくなっている……。
弟くんが危なくないよう気にしながら歩く彼は立派なお兄ちゃんでした。
そのうちお母さんの胸には新しい赤ちゃん。
え?いつの間に?と驚きました(;^ω^)
少し前の朝、自転車で出かける様子を見ました。
自転車に跨るお母さんの抱っこひもの中には赤ちゃん、後ろの椅子には弟くん。
お兄ちゃんは?と見ていると、「行くよ」の掛け声と同時に自転車の前を駆け出した!
それが速いのなんの。自転車のお母さんもそこそこ飛ばしているのに追いつけません。
あのまま目的地まで走って行くのかと思うと、なんて逞しくなったのかと感動しきりでした。
今年の春ぐらいからでしょうか。
サッカーのユニフォーム姿で出かけることもあるのでサッカークラブに入ったのかな?
あの疾走もその成果でしょう。
よそのお子さんを身内の様な気持ちで、且つ客観的にも見守らせていただきながら
小さい人たちは必ず大きく成長することを改めて教えてもらいました。
娘三人育てて、それはもうわかっているつもりでしたが
こんなにもありありと見せてもらえて、ありがとうとこの親子さんに申し上げたいくらい。
お母さんも素晴らしかったですね。
実は最近、朝になるとまた泣き声が聞こえるのです。
今度は女の子。ようやく1歳になったばかりかな?
毎朝、お父さんの自転車で我が家の前の道を通り保育園に行っているようなのですが
前の椅子に座りながらのけぞるようにして泣いているのです。
保育園に行きたくないのでしょうね。
悲しくて仕方ないと言わんばかりの彼女の泣き声が遠くから聞こえてくると
思わず窓のそばに駆け寄り、ガンバレと見送っています。
そしてお父さんには、いつか泣かなくても保育園に行けるようになりますから
待ってあげてねと伝えたくなる。
そうしてみんな大きくなるのですよね。(❁´◡`❁)
……………
ところで、
まるで顔見知りの様に彼らのことを書いていますが、彼らは私のことを一切知りません。
何しろ3階の部屋の窓からカーテンに隠れるようにして見させていただいているので(^▽^;)
「ばあばは見た!」(⊙ˍ⊙) です。
失礼しました………<( _ _ )>
6月末に生まれた三男孫のお宮参りで。
長男孫も次男孫も大きくなりました。すぐ喧嘩になっちゃうくせにお兄ちゃんのことが気になって仕方ない次男坊。お兄ちゃんの隣にそっと立つ後ろ姿がいじらしいです(*´ω`*)
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