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『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』を観て、考えた


ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』

NHKBSプレミアムで観ました。


2017年に製作されたイギリス・アメリカの合作映画で
原題は『Darkest Hour』

日本では2018年3月に劇場公開。



ポスターに

“英国一型破りな男が、ダンケルクの戦いを制し、歴史を変えた。”

“「嫌われ者」から「伝説のリーダー」となったチャーチルの、真実の物語。”

とあります。


チャーチルについては言うまでもないと思いますが
第二次世界大戦下におけるイギリスの首相。

(ちなみに、在任期間は1940年5月10日~1945年7月26日、1951年10月26日~1955年4月5日。)

原題の『Darkest Hour』(最も暗い時)とは、ナチスドイツが欧州で勢力を拡大していた第二次世界大戦初期を指したチャーチルの言葉だそうです。


(超簡潔な)あらすじです。

チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる4週間……。


第2次世界大戦初期、ナチスドイツによってフランスが陥落寸前にまで追い込まれ、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。
連合軍が北フランスの港町ダンケルクの浜辺で窮地に陥る中、就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手にヨーロッパ中の運命が委ねられることに。


ヒトラーとの和平交渉か徹底抗戦か、究極の選択を迫られるチャーチルだったが……。
(「映画.com」より抜粋)


ドイツへの宥和政策が破綻して辞任した前首相チェンバレンの後を継ぎ、65歳で新首相となったチャーチル

だが、歯に衣着せぬ物言いと妥協しない性格で政敵も多い。

ナチスドイツに対し徹底した抵抗を訴えるが、講和の道を探ろうとする和平交渉派に追い込まれ孤立する。

そんな苦悩を抱えながら、初めて乗った地下鉄の車内で市民と交流する中である決意を固める……。


イギリス国家として、イギリス人として
誇りと信念を手に断固戦わんと訴える入魂の演説。


聞く者の心を奮い立たせ、熱くさせる
クライマックスに相応しい感動的なシーンでした。


……………


この作品を観た後に、ふっと浮かんだのは
ロシアの侵攻に徹底抗戦するウクライナの国とウクライナの人々でした。


国土が破壊され、国民の命が奪われながらも
決してロシアに屈しないという確固たる信念。

それはナチスドイツの侵攻に立ち向かったイギリスと同じかも、ということ。


その次に考えたのは
日本だったらどうなんだろうということ。


他の国から強大な力で侵攻された時
国を守る為に命がけで戦おうとするだろうか。

日本の国に、日本人にそれほどの愛国心があるのだろうか、ということ。


そこで又、考えたのは

でも、太平洋戦争時
日本は国を守る為、「一億総玉砕」をうたい
誰も彼も、否応も無しに、戦ったんだということ。


あの時代、軍国主義のもと
国からのプロパガンダに国民は知らず知らず操作され
戦争へと引きずり込まれていった。

結果、操作され誘導された愛国心が多くの悲劇を生むことにもなっただろう。


ということは?


チャーチルの演説で、誇りと愛国心を高められたイギリス議会は徹底抗戦の道を選んだ。

多くのイギリス国民もそうだったろう。

でもそれは、チャーチルに誘導されたとも言えるんじゃない?

それってもしかしたら怖いことかも?

その選択が正しいかどうか、誰が決めるのだろう。

その裏には必ずやたくさんの犠牲があったのは事実で
それの落としどころをどう考えればいい?


「伝説のリーダー」としてチャーチルを(称賛し)描いているけど

一つ間違えれば、
日本の軍国主義や、それこそヒトラーと変わらないかも、ということ。


となると?


今、日本にはそのように大きな影響を与える政治家や政党が存在せず
国民も政治や政治家に対し、たいして信頼していないから

それってある意味、ラッキーなのかな、ということ。

国に従って「一億総玉砕」などと起こり得ないだろうと思う。


愛国心があるか、ないか、ということとは別に

国に踊らされて戦争なんかしたくないという日本人が(多分)多いのは良いことだ、ということ。


(映画を観た後、頭に浮かんだ順に書きました。過激な部分はお許しを(^^;)


……………


太平洋戦争に負け、多くのものを失ったこの国で
また、加害者として他の国に甚大な被害を与えてきたこの国で

今、戦争の当事者になることを理屈抜きで拒否する日本人が大多数ではないでしょうか。

そのことは間違っていないと思うし、自分も戦争は断固拒否です。


ただ、

では他の国から侵攻された時に、絶対戦争はしないと
誇りや信念を捨て講和を結ぼうとするのか。

そうして得られる平和はいったいどんなものなのだろうか。


そんなことを考えると
なんだかもうわからなくなります。



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