嫁入り道具として親に用意してもらったチェストがある。
40年近く愛用し、その間、引越しや思い立った時などに中身を整理してきた。
縦に4段で、大小の引き出しが横に並ぶ。
大きい引き出しには衣類、小さい引き出しには段ごとにハンカチ類、銀行・年金・保険関係の書類、戴いた手紙や葉書と住所録、手帳や写真などの思い出の品を収納。(個人情報、晒してます^^;)
今日、ふと思い立ち小さい引き出しを整理することに。
前回整理したのはいつだったか憶えていないが、それ以降物も増えていないようでまあまあ片づいている。
ただ、中身を一つ一つ確認しながら(あれ?こんなモノがある⁈)といちいち驚いた。
前回はそんなに前でなかったはずだが、引き出しの中身をけっこう忘れてしまっている。
さすが重度の忘れん坊である。
特に胸を熱くしたのが、2年前の秋に亡くなった友だちからのエアメイル、数通。
ビニール袋に大切に保管してあったが、その存在を失念していた。
前回の片づけの際にも気づかなかった(はず)。
片づけがどれほどテキトーだったかということにもなる。
まだ若くバリバリに元気だった彼女が旦那さまの転勤でオーストラリアで暮らしていたのは30年前くらい。
良い意味で日本人離れしていた彼女にとって、海外の暮らしは性に合っていたかもしれないな。
優しい言葉をいっぱい書いてくれていて、でも私はそれに応える言葉でちゃんと返事が書けたのだろうかと今さら心配になる。
本当にバカで幼稚な自分だったから。(今も)
祖母からの手紙もあった。
40年以上前、私が社会人として働き一人暮らしをしていた頃に、突然届いた祖母からの手紙だった。
その温かさが有難く、申し訳なく、切なかったこと、憶えている。
それ以来、お守りの様な存在として自分の中にあったが、ここに仕舞ってあったとは。
忘れていたわ。
ちょうど10年前に記事にしていました
夫が定年退職する時のこと。
職場の方々がお祝いをしてくださることになり、その場で「妻からの手紙」を披露したいので是非書いて欲しいと依頼された。
悪戦苦闘、何とか書き上げたその時の原稿も唐突に引き出しの中から現れた。
これもあったか……………
こちらは中を開かず、そのまま元の場所に仕舞う。
嘘八百とは言わないが、さぞ体のイイことを書いたのではと思うので、読み返そうものなら居心地が悪くなるに決まっている(;^ω^)
そしてそして、今回の引き出し整理で大発掘。
思わず喜びの声を上げてしまったのが
なんと! 吉田拓郎氏の直筆サイン入り楽譜!!
何故、ここにあるの⁉(⊙o⊙)
信じられない思いでそれを見つめながら段々思い出してくる。
そうだ、これは夫がくれたんだ。
50年程前、夫が高校生の時、地元の音楽センターで拓郎のコンサートが開かれ、それを聴きに行ったそうな。
何故か楽屋まで行けて、そこで拓郎にサインを貰ったらしい。
「本当に目の前でたくろうに書いてもらったのね」と念を押すと
「うん、あんまり憶えてないけど多分そう」と言う。
「人間なんて」の楽譜に書かれた平仮名の“よしだたくろう”
可愛いイラストも添えられている。(これもたくろうさん作?( *´艸`))
私にとっては超超お宝なのに、引き出しに仕舞ったことだけでなく、自分の手元にあったことも忘れていた。
こうして再び出会えてめちゃくちゃ嬉しいが、また時間が経つと忘れてしまわないか既に不安である。