先日観たドラマ。
明日は何時に出かけるのか?と一日に3度尋ねた父に対し、心配を募らせる娘のシーンがありました。
実はその少し前に父娘で電話した際、娘を亡くなった妻と間違えて妻の名前を呼び、〇〇(娘)によろしくと言った父に、娘は違和感と不安を覚えていたのです。
娘夫婦からの退職祝のキーケースを馴染みの店に何度も忘れたり、祖父の入院する病院や申し込むべき面会日時を間違えた父。
そんなことが重なり、娘は自分の中の不安に耐え切れず、こんなことがあった、あんなこともあったと父に言います。
そして、一緒に健康診断でも受けない?と誘うのですが、「いいよ」と断る父に、深刻にならないよう気遣いながらも行こうと繰り返す娘。
とうとう父は苦し気に「もういい!」と声を荒げました。
父自身も気づいているのでした。自分の記憶が日々不確かになりつつあることに。
そんなシーンを観ながら「そんなに追い詰めたらお父さん辛いわ」とつい声に出していました。
子どもは、若い人は、心配なんだろうな。
それまでしっかりとしていた親が、物忘れとかミスとか、呆れるような信じられないような失敗をして、なんだか壊れていくようで。
私も晩年の母の、人が違ったような言動には戸惑い、時には腹も立てました。
診断はされなかったけど、今思えば少し認知症になっていたのかもしれません。
今回、そんな父娘のやり取りに悲しい切なさを感じるのとは別に、自分と同世代であろう父親の物忘れの様子に身につまされる思いで苦笑いでした。
「こんなのフツーにあるんだけど(*´з`)」って。
まさに自分もアルアル。さらに夫もアルアルのアル(笑)。
言ったことを忘れる
聞いたことを忘れる
スケジュールを忘れる
電気消し忘れる
人の名前が浮かばない
……………
※まだまだあるはずだけど、普段何を忘れるのか、それも忘れた…(;´Д`)
例えば、
面白い芸能ネタを相手に伝えて「へえー!」などと言わせたいのに、肝心の人名が出て来ず、言いたいことが全然伝わらない。
「なんのドラマに出てた?」「何歳くらい?」などと謎解きから始め、ようやく名前が判明して本題へ移るから、何だか面白さもパワーダウン。
人の名前は本当に忘れっぽくなったなぁ。
かと思うと、昔の芸能人の名前が唐突に出てくるので、謎解きの際には余計にややこしい。
夫などはわざとかと思うくらい、往年の芸能人の名前を連発させますから。
うっかり今日の予定を忘れそうになることも冗談じゃなく度々なので、リビングのカレンダーに書き込みは必須。
「後でやろう」はゼッタイ忘れるので、「思いついたらすぐやる」は今や夫婦の合言葉。
若い頃、夫がトイレの電気を消し忘れるのを信じられない思いで注意していた私も、今は同じことをしています。
最初は自分ではなくまた夫だと思っていましたが、夫が留守の間にも電気つけっぱなしが度々あって、ああ、自分なのかと思い知りました。
それ以来、明らかに夫が電気を消し忘れていても、黙って消すようにしています。
多分、夫もそうしてくれていると思うので(^◇^;)
そんな私たちも苦労せずとも忘れないことがあります。
夫は昔から数字の記憶が得意なようで、今もそこは衰えないかな。
例えば世界の国の人口、日本の政令指定都市の人口、野菜や米などの生産量は一度記憶すると脳内に残り、その都度更新もされるらしく、
テレビのクイズ番組ではその知識が大いに発揮されることがあります。
また、買い物や外食をした後、私が「あれいくらだったっけ?」と訊くと、たいていスラスラと値段が出てきます。
記憶するつもりはないのでしょうが、見た数字が脳裏に映像として残るみたい。
妻から尊敬もされ、感謝もされ、まんざらでもない夫です。
恥ずかしながら私の得意はテレビ番組に関する記憶。
(これを得意と言うことに大いに躊躇いがありましたが、他に無いので)
その番組が何曜日何時から何チャンネルで放送されるかを大体把握しています。
言わば、「人間番組表」とでも言いますか(;^ω^)
我が家は新聞をとっていませんが、新番組が始まると頭の中のテレビ欄が自然に埋まっていくんですよね。
不思議だけど無意識のうちに憶えちゃうんです。なんだろう、これ。
昭和のテレビっ子。子どもの頃から新聞のテレビ欄を隅から隅まで見ていたせいかなぁ。
夫に訊かれて、「〇曜日の△時から。◇チャンネルだよ」と答えては「さすが!」と称賛を浴びています( ̄▽ ̄;)
考えたら、子どもの時からそんなふうで、両親には重宝がられていましたっけ。
物忘れはヒドイけど、出来ることはまだまだあるでしょう。歳を重ねたからこそ出来ることも。
自分の衰えを知り、ひとは完璧ではいられないことを思い知ることで、ひとに寛容になれた気もします。それって悪いことじゃない。
言ったこと忘れて何度も同じこと言っちゃうけど、聞いた方も聞いたこと忘れてるから、うまい具合に噛み合っているのも可笑しい。
いろいろあるけど、出来れば楽しんで、肩の力抜いて、やっていけたらと思っています。
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