スピードスケートチームパシュート（団体追い抜き）
髙木菜那選手が泣きじゃくる場面を思い出すと今でも胸が詰まります。
あの時、散々もらい泣きしたというのに、まだちょっと泣きそうになる。
菜那さんの涙は悔しさでしょう。
菜那さんの涙を見て泣く私の涙は、ただただ可哀想で…。
もう完璧に親目線です。
一番を目指して何年も努力してきたのだから
それを達成できなくてどんなに悔しかったことか
それで泣けてしまうのは当たり前
悔しい涙は堂々と思い切り流していい
私なんかが可哀想って泣くのは全然違うとよくわかっているんだけど
涙が溢れてしまうのでした。
菜那さんも「努力って報われないなぁ…」と思ったのでしょうか。
思ったっていい
口に出したっていい
それぐらい努力してきただろうこと、わかるから
羽生結弦選手の「努力って報われないな」発言に
残念というような意見があるみたいだけど
自分の全てを捧げ
極限まで努力を積み重ねてきただろう彼が
願う結果が得られなかった時に
「努力って報われないな」と言って何がいけない？と思うのです。
不特定多数の人たちに
「努力って報われないんですよ」と教えたいわけじゃない。
まして恨みごとを言いたいわけじゃない。
悔しくてたまらない自分自身に問いかけ
言い聞かせたのかもしれない。
なだめたのかもしれない。
例えば自分のような
精一杯の努力をせず、逃げてばかりの人間は
「努力って報われないな」などと、どの口が言ってるんだという話ですが
そして自分自身もみっともなくて恥ずかし過ぎてとても言えたものではありませんが
「努力って報われないな」と率直に言えること
それぐらい彼が努力をしてきただろうこと
素直に理解できるから
真っ直ぐこちらの心に届くのです。
そんな羽生選手はやっぱりちょっと異次元で
凄いなあと心底思うのです。
そして、
努力が報われないことを味わったとしても
やっぱり彼はこれからも努力し続けるのだろうなと思うのです。
……………
髙木菜那選手の妹、髙木美帆選手がスピードスケート1000mで金メダルを獲得しました。
おめでとうございます！
オリンピックは三度目の出場。
二度目の平昌大会ではチームパシュートで金、1500mで銀、1000mで銅でした。
今回、個人での金メダルが欲しいと言っていた美帆選手。
一番有望とされた1500mで銀。
「悔しい」と、まだ整理のつかない面持ちでインタビューに応える彼女でした。
次に臨んだ500mでも銀。
けれど、予想を覆す良い結果となったのでしょう。とても嬉しそうでした。
そしてチームパシュートの銀。
前大会で1位となり、今回もと期待されましたが
決勝、最後のコーナー、菜那選手の転倒というアクシデントで2位。
メンバー3人でのインタビューの際
「姉（菜那選手）が一番チームパシュートのことを考え、私たちを引っ張ってくれた」と
ぽろぽろと涙を零しながら、菜那選手を気遣った美帆選手。
勝負に負けた悔しさと
姉の辛さを一番理解し思いやる妹の切ない心情が
綯い交ぜになったかのような銀メダルだったのでしょうか。
テレビでどなたかが言っていましたが
同じ銀メダルでも
髙木美帆選手にとってそれぞれ異なる思いを抱く銀メダルだったのかもしれません。
そんな彼女が最後に手にした金メダル。
テレビの前で大きく拍手をしながら、やっぱり涙が溢れました。
美帆選手の願いが叶い、本当に本当に良かった。
……………
努力は報われる
努力は報われないこともある
いずれにしても、
本当に努力した人が言って初めて
説得力を持つ言葉なのでしょう。
そして、
努力が報われることも、報われないことも
その真実（ほんとう）を知ることが出来るのは
本当に努力した人だけなのでしょう。
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