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憧れるのをやめましょう~『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』


その映画のことを知ったのは糸井重里さんのエッセイだった。

読みながらもう既に観たくてたまらなくなった。


映画が大好きで、映画館にもよく足を運んでいる方だと思っていたが、全く知らなかった。

いつも行く地元の映画館では上映されておらず、なので予告編を目にしなかったわけだ。

にしても…


6月の初め、三週間限定で公開されたが、一週間延長されたらしい。

おかげで観ることが出来た。


『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』



野球日本代表チーム「侍ジャパン」が、2023年3月のワールド・ベースボール・クラシックWBC)で優勝するまでの軌跡をたどったドキュメンタリーである。

2021年12月、栗山英樹侍ジャパン監督に就任した。誰よりも野球を愛し、選手を愛する指揮官は「世界一」を目標に掲げ、2023年3月開催のWBCに向けて進んでいく。


3大会14年ぶりのWBC優勝を勝ち取った、史上最強と言われる侍ジャパンがいかにして誕生したのか。代表選手30人の選考会議もカメラに収め、大会直前に行われた宮崎合宿、本大会ベンチやロッカーでの様子、選手の苦悩や葛藤、そして歓喜の瞬間まで、チーム専属カメラだからこそ捉えることのできた貴重な映像の数々で振り返っていく。(「映画.com」より)



今回のWBC、日本の試合は全て観て、優勝のその瞬間までを余すことなく堪能し尽くした大会だった。

歳を取ってからは映画館にとんと行かなくなった夫を、観に行きたいかなと思い誘ってみたが
「もう十分に観たからいい」と言った。

確かにそうなのだけど、優勝を掴み取ったその裏側を知れるものなら知りたかった。


そうだったんだ
なるほどね…
へえー


最上級のドキュメンタリーにずっとワクワクドキドキしっ放しだったなあ。


エンドロールの後にお楽しみがあるので、席を立たずに最後まで観てという情報を得ていたので待っていたら

なるほど、いいものを見せてもらえた。

というか、自分もずっと気になっていた事。

笑っちゃったけど。



それにしても、大谷翔平という人は凄い。

彼が今、トップクラスのメジャーリーガーとして存在する理由を改めて見た気がする。


極めてタフな肉体と精神、圧倒的な野球センス。

超一流の選手たちが憧れ尊敬する、そんな彼の裏側をほんの少し垣間見たように思えてドキドキした。


驚いた(意外だった)のは、自分が今まで彼に抱いていたものを更に超えて、激しく熱い人だったということ。


しなやかで柔らかい彼のチャーミングさに魅了され
冷静で思慮深い彼の言葉に毎回感心させられていたが

それと同時に、大谷選手は並外れた熱量を持つ人だった。


それは通常は内に秘められているのだろうが
熱く外にほとばしる瞬間の映像を観た時には息を呑んだ。


タフな心身や圧倒的な野球センスはもちろんだが
その熱量をもってして、彼はメジャーリーガーとして己の夢を一つずつ叶えて来たのかもしれないと思わされた。


WBCの決勝前に大谷選手がチームメイトに語りかけるあのシーンもあった。


「憧れるのを、やめましょう。今日、超えるために、トップになるために来たんで。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、行こう!!」


何という名言だろう。

それを聞いた侍ジャパンの選手たちはハッとして心開かれる思いだったのではないだろうか。


それはまた、大谷選手がアメリカに渡るにあたっての「決意」だったのかもしれないなあと思ったりする。



そして侍ジャパンは憧れを超えて世界一になったのだ。



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