コンサートに行って来ました。
『AKIKO WADA LAST HALL TOUR』
その名の通り、デビュー55周年を迎えた和田アキ子さんの最後のホール・ツアー。
自分自身が納得できる歌声を披露できなくなったとの思いから、これで最後のホール・ツアーにしようと
記憶違いでなければ、アッコさんはそんなふうに語っておられたと思います。
それを聞いて、無性に彼女の最後のライブを聴きに行きたくなったのです。
“和田アキ子”という歌手を知ったのは小学生の頃に聴いた「どしゃぶりの雨の中で」
当時の日本人にはあまりいなかったソウルフルでパワフルな歌声。
強いビートに体を揺らし歌う姿がカッコ良くて
下校時の帰り道で友だちと振り付きで歌ったものです。
その後もたくさんのヒット曲を出し、テレビの歌番組や年末の賞レースの常連だったアッコさん。
歌唱力に定評があり、それは皆が当然のように認識するところだったのでは。
私自身もそうでしたが
ただ、生のステージを聴いたことは一度も無かったです。
6年前、作詞家阿久悠氏の没後10年に開催された「リスペクトコンサート」に行きました。
阿久悠作品を歌う歌手が一堂に会し、多くの名曲を披露。
懐かしい歌、大好きな歌の数々に興奮し、幸せな時間を過ごしました。
そこでアッコさんが歌ったのが「あの鐘を鳴らすのはあなた」
何度もテレビで聴いてきましたし、その度、上手だなあ、いい歌だなあと思ってきましたが
生の歌声の、何と素晴らしかったこと。 ハンパなかった。
おそらくテレビを通してでは彼女の歌声は平たく調整されて聴こえているんじゃないかと思うほど
生の歌声はそのパワフルさにおいて、その奥深さにおいて、それまでの己の認識を大きく上回るものでした。
そんなことがあり、もう一度
そしてこれが最後になるのならなおさら、もう一度、彼女の歌を生で聴いておきたいと思ったのです。
例によって、前置きが長くなりました(ーー;)
公式サイトより
“和製R&Bの女王”と称される和田アキ子のデビュー55周年スペシャルライヴ「AKIKO WADA LAST HALL TOUR」が、 本公演を皮切りにスタート。
ホール・ツアーは今回でラストとなる。
また本公演は、Blue Note Tokyo presentsで開催され、今もなお、 色褪せぬ数多くの名曲の歌唱はもちろん、毎年、Blue Note Tokyo LIVEで挑戦を続けている洋楽カバー曲からも最高傑作を披露予定。
和田アキ子はツアー開催について、
「こうやって55年間歌い続けられたのも、応援してくれる皆様のおかげです。 ホール・ツアーはラストになるので、悔いのないように。そして、私の歌を聴いて“元気や勇気が湧いた”と言ってもらえるように、 感謝の気持ちを込めて精一杯歌いたいと思います。来て頂いた皆様に『あなたに会えて良かった』という想いを伝えたいと思います」と語っている。
私が行ったのはツアーの初日。
これから楽しみになさっている方々にネタバレは申し訳ないので、楽曲などの詳細は避けます。
(と言いつつ…………^^;、実は私の大好きな歌をカバーして歌ってくれて、最高のシャウトだった!)
直前に膝の手術をするなど満身創痍の中、アッコさんの真摯な「想い」がひしと伝わる歌声でした。
そして歌と歌の間のMCでは、一つ一つの言葉を丁寧に選び静かに語りかけるアッコさん。
豪快で歯に衣着せぬ芸能界の大御所といったイメージとはまた違う、繊細で純の上を行く純白な心の美しさに触れたようで
ちょっと感動してしまったなぁ。
本来、そういう人なのだろうなあと思っていましたが。
ファンや周囲の人たちへの心からの感謝の「想い」にも、思わずもらい泣き。
いえ、アッコさんは「泣くと歌えなくなるから」と最後まで泣かないと決意していたので、多分泣いてはおられないのですが
泣き虫のアッコさんのことだから内側ではたくさんの涙を流しているのではと、勝手に彼女の心情を思ってのもらい泣きです。
アッコさんの歌唱が素晴らしかったのはもちろんのこと
アッコさんの「想い」とそれに応えるファンの方々の温かさがホールに満ち満ちて
正直言えばコアなファンとは言えない自分までも優しく幸せな気持ちにさせてもらったのでした。