昨日のひなまつり。
前日までの寒さと強風が収まり、暖かな好き日。孫たちが遊びに来た。
男の子三人の後の(待望の)女孫は1歳3ヶ月の可愛い盛り。
ヨチヨチと歩く姿がこれまた愛おしい。
男の子とは違う柔らかさや華やかさにじいじもばあばも癒されるばかり。
が、これでなかなか気が強く、ニイニたちにモノを取られまいと大声を張り上げる様は、近い将来、家族の中で女王様として君臨するのではとちょっと心配にもなる^^;
お雛様を出すことを怠けたので、ひなまつりと言ってもそれらしいものは無く、スーパーで買った桜餅が唯一の彩り。
それでも孫たちの賑やかな声が桃の節句を明るく盛り上げてくれた。
今日も朝から穏やかな晴れ。部屋の中に日差しが差し込んで暖かい。
心の中まで温められる、そんな思いになりたくてNHKBSで“寅さん”を観た。
やっぱり寅さんはあったかい。
そして最後にはセツナサと温もりの入り混じった涙がホロリ、だった。
……………
今から10年以上前のこと。
『寅さんの伝言』というタイトルで新聞に連載されていたコラムがある。
映画『男はつらいよ』で寅さん(渥美清さん)と共演したマドンナたちをはじめ、
シリーズに出演したお馴染みの俳優さんたち。
それから山田洋次監督やスタッフ。さらに地方ロケで出会った現地の人たち。
そんな人々が寅さんとのエピソードや寅さんへの思いを語っていて、毎回楽しみにしていた。
当時、その中の一つのエピソードを取り上げてブログに書いた。
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ある回は、寅さんのいくつかのシリーズに出演した赤塚真人さんだった。
第38作『知床慕情』の際、
ロケ地で夕日を見ながら「俺は何のために生きているのかなあ」とつぶやいた赤塚さんに、渥美さんは言ったそうだ。
「何て言うかな、ほら、あー生まれてきて良かったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか」
「何のために生きているか」と考えた時、大きな何かを探そうとしたり、大きな何かが欲しくてモヤモヤしたり。
それが見つからないと生きている意味が無いと焦っちゃったり。
だけど、
生まれてきて良かったなと思うことが何遍かでもあるでしょ
そう思うために生きてるんじゃないの
そう言われたようで、自分も気が楽になると言うか、肩の力が抜ける気がしたものだ。
確かに寅さんはそうして生きている。
人生の哀愁を噛み締めつつ、生まれてきて良かったなと思えることに出会いながら、彼は旅を続けているだろう。
例えば大きな何かを成し遂げられなくても、何の役にも立てないと思えても、だ。
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寅さんの映画は、見るといつも泣けてきた。
寅さんの飄々とした物言いや、周囲とのハチャメチャがおっかしくて、
お腹の真ん中から笑っちゃうんだけど、
それを見ていながらの切なさも半端なくて、
ちょっと嗚咽しちゃうくらい泣かされることもあった。
古くさいけど鮮烈で、
まともじゃないのに正しい。
そんなことをいつも感じた。
そしていつも、温めてくれた。
古くさいけど鮮烈で
まともじゃないのに正しい
いつもそう感じて“寅さん”に魅了されている。
※この場合の「まとも」は常識的とか真面目といった意味合いで用いました(;^ω^)
ばあばの古いケータイがお気に入り。モシモシしてます(^^)