すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

「すーちゃんの恋」から

 
例によって「すーちゃん」の話。。
 
シリーズ最新の「すーちゃんの恋」での、すーちゃん。
それまで働いていたカフェを辞め、保育園で調理師として働き始めて5ヶ月が過ぎようとしています。
小さなひとたちから「よし子先生」と呼ばれ
すーちゃんはそこでもやはり変わらぬ真っ直ぐさで小さなひとたちと向き合い
いろいろなことに気づき考えていくのです。
そんな時のすーちゃんの呟きや心の声がとても良いのだけど
もしこれからこの本を読む人がいたら申し訳ないので、ここに紹介するのは差し控えることにします。
初めてそれを読んだ時にその人の心にその人の感覚で響いて欲しいから。
 
タイトルにもなっているすーちゃんの恋。
恋が始まるのか始まらないのか、不器用でちょっぴり痛々しいすーちゃんに
まるでワタシのことじゃないかと小っ恥ずかしい思い出が脳裏をかすめます。
でもきっとうまくいく、そんな予感のラストシーンに心がぽっと温かくなりました。
 
 
えっと・・やっぱり、一つだけ
 
園長先生の奥さんで栄養士でもあるみどり先生。
すーちゃんの真面目な仕事ぶりや調理師としての能力を認めてくれています。
小さなひとたちに対する思いを真摯に語るすーちゃんに「わたし、あなたの働き方好きよ」と。
 
「でもわたし、前の職場では半分逃げ出したようなもんですから」
 
「そんなの 今はいいのよ。それでよかったって思う生き方をすれば なんともないのよ。
それにね、そんな言い方しなくていいの。
『逃げ出した』なんて言葉にしばられず そのまま受けとめればいいの。
『逃げた』じゃなく『辞めた』 それだけのことよ」
 
 
ホントにね、そうだよなー。
ぶっちゃけ過去はもう仕方ない。変えられない。
もし悔いがあるのなら、今を精一杯やって、これで良かったと思えるようにすることなんだよね。
そうすれば、あの時、逃げたようで情けなかったことも、間違えたようで悔やんだことも
これで良かったと思える「今」に至る道筋だったと思えるのかもしれない。
 
「それでよかったって思う生き方をすれば なんともないのよ」
 
なんと単純明快。
もしくは超楽天的?
人によってはお気楽な物言いに感じるのかな・・
でも、確かになぁと思うのです。
その振り幅に大小はあっても、どんな人でも人生にはきっと紆余曲折があり後悔や失敗がたくさんある。
でも、いろいろあっても
人生という一筋の道の終着点で、ああ、これでよかったと思えたら 
逃げたことも間違えたことも、オール OK!なんじゃないかなって。
究極はそういうことじゃないかって思ったんですよね。
 
 
「それでよかったと思える生き方」って、きっと人それぞれ。
自分の場合、
その時々の「今」と正直に向き合い、己の「心」ともきちんと向き合い
そうしてひとつひとつ納得しながら、とにかく前を向いて行くことなんだろうな。
例えばそうすることでいろいろな軋轢が起きたり周囲からのストレスがかかったり
しんどいこともけっこうあるんだけど
きっといつか「それでよかった」と思える気がする。
 
と信じたい。