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信じる力~糸井さん「今日のダーリン」から


今日の糸井重里さんのエッセイは「信じる」について
次のような書き出しで始まりました。

信じるということのむつかしさを感じている人は、どれくらいいるものだろうか。まず、信じることなんてできないと思う人なら、それについてのむつかしさを感じることもないだろう。信じたい、信じるべきかもしれないと思いつつ、なかなか信じられない人が、むつかしさを感じている。ぼくは、そういう人はけっこう多いのではないかと思う。

本当にそう。
「信じる」なんてそもそもバカバカしいと思う人は
「信じる」ことのむつかしさをとうに手離してしまっているだろうから。
「信じたい」「信じるべき」と思う人がそのむつかしさを感じ、悩むのでしょう。
そして、そういう人の方が多数なのだと思う。

そこで糸井さんの話はNHKの朝ドラ『まんぷく』へ。

毎日、NHKの朝のドラマ『まんぷく』を観ているのだが、このドラマを一貫して流れているテーマは、「信じる」ということではないかと思っている。主人公の萬平福子の夫婦は「信じる力」の強い人たちだ。そして、福子の母である鈴は、悪い人ではないのだが「信じる力」の弱い人。「信じる」ことで損をすることが、心配なのである。その他の登場人物は「信じる力」の濃い人薄い人として、物語の流れに陰影をつけている。先週は、進駐軍が最大の「信じない人」として現れた。しかし、進駐軍は、「信じるに足る証拠」があれば、それに合わせて判断するという合理主義者として描かれる。

なるほど。
確かにそう。

そして、ふと思うのだけど
「信じる力」の強い人、この場合萬平さんと福ちゃんだが
二人の傍にいる人たちは何だか皆幸せそう。
二人は他人に裏切られたり苦労もするけれど
簡単には崩れない「信じる力」が周りの人を動かし、好転させ
結局二人も幸せでいる。

反対に、鈴さんの言葉を聞いているとこちらまで滅入ってきます。
「信じる力」が弱いことは己だけにとどまらず
周りまでもネガティブにさせてしまうのかも。

ドラマの中の事なので
現実の世界で「信じる力」の強い弱いがどう作用するのかは
簡単には言い切れません。
けれど、
毎朝、萬平福子夫婦に幸せな気持ちにさせて貰っているのは確か。
それは、まさに二人の「信じる力」の強さに
自分はテレビのこちら側で知らず知らず励まされているのだと腑に落ちました。

この後の「おはなし」は、おそらく、「信じる力」の強い人たちが成功することになるだろう。観ている人たちも、もっと「信じる」ことをしたいのだ。「信じる」ものがバカをみる、という「現実らしきもの」にへばりついて苦しむよりも、赤ん坊のように信じて生きてみたいのだと思っている。ドラマのなかのことなら、なんの心配もないしね。

もっと「信じる」ことをしたい。
そういうことなのでしょうね。

だけど、
「信じる」ものがバカをみる現実が、この世にはごまんとあって。
でも信じたい。「信じる」ことをしたい。
でも裏切られるのが怖くて。信じるのが怖くて。
だから苦しい。。


それでもやっぱり
「信じる心」手離したくないです。
「信じる力」失いたくないです。

「信じる力」失くしそうになったら
その度、気づいて、思い出して、取り戻して、生きていきたいです。

それが幸せにもきっと繋がると思うから。


エッセイ、最後の一文です。

赤ん坊、なにもできぬわたしが生きていけると信じている。

ハッとしました。
なにも持たない、なにもできない赤ん坊の、「信じる力」のとてつもない強さ。
本当にそうだなと。
極端に言えば、それのみでこの世に生まれ出たわたしたち。
そうして生きていくことを始めたわたしたち。

考えたら凄い。

大人たちは
そんな「信じる力」を裏切ることのないように、です。