すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

東京タワーと『ALWAYS三丁目の夕日』

 
自分のプロフィールに好きな映画として洋画をあげていますが、
邦画にも大好きな映画はいくつもあり、
その一つが2005年公開の『ALWAYS三丁目の夕日です。
 
 
三丁目の夕日b
 
 
ちなみに続編として、
2007年に『ALWAYS続・三丁目の夕日、2012年には『ALWAYS三丁目の夕日’64』が公開されました。
 
 
第1作目『ALWAYS三丁目の夕日』の時代は昭和33年(1958年)。
建設中の東京タワーを望む下町の自動車修理工場に、集団就職で一人の少女がやって来て物語は始まります。
修理工場の家族、駄菓子屋を営む売れない小説家や飲み屋の女将、身寄りのない少年・・。
そんな登場人物を軸に、貧しくも温かい人間同士の触れ合い、ぶつかり合いが描かれています。
その13年前に負けて終わった戦争で焼けつくされた街はやがて整備され、
路面電車がひっきりなしに行き交い、自動車も当たり前のように走るようになった。
商店街は大人も子どももごちゃ混ぜの多くの人たちで賑わい、
汗のしずくも飛んできそうな雑多な喧噪の中で、生きるためのバイタリティーが熱を放っている。
戦争によってかけがえのない大切なものをたくさん失ってしまったけれど、
未来は必ず良くなると信じた。信じられた。
高度経済成長の波に乗り、皆が前を向いて上り坂を登っていた。
そんな時代のお話です。
 
物語の中で東京タワーはその時代を象徴するべく登場しています。
昭和33年春、集団就職で少女が上京した時に仰ぎ見たその高さはまだ3分の1ほどでしたが、
物語の終盤、年の暮れに初めての里帰りで故郷に向かう列車の窓から少女が目にしたのは、
ついに完成した東京タワーの姿でした。
 
ラストシーン、夕日に立つ東京タワーを眺めながら、修理工場の奥さんが
「いつまでもこんなキレイな夕日が見られるといいわねぇ・・」
とつぶやくと、小学生の息子が
「明日だってあさってだって、50年先だって夕日はキレイに決まっているじゃないか」
と応えるのです。
 
 
少女役の堀北真希ちゃん、ハンパない透明感で本当に可愛かったなぁ。
純粋で朴訥とした役柄がいじらしくて、何度もギューとしたくなった。
そんな堀北真希ちゃんを見守る修理工場の夫婦堤真一さんと薬師丸ひろ子さん。
熱くてあったかくて泣きたくなるほどの優しさをそれはもう見事に演じられていた。
売れない小説家を演じる吉岡秀隆さん、飲み屋の女将役の小雪さんもまさにドンピシャ。
すべて、安定の昭和感が心地よく、いつしか懐かしさで切なくさえありました。
 
 
そしてこちらは昭和の象徴とでも言いましょうか。
 
IMG_0538a.jpg
 
ご存じ、東京タワー
昭和33年10月14日竣工、同12月23日完工式、正式オープン。
自分と同級生です。
昭和の良き時代を共に生きてきた。
そんなことを勝手に思ってはしみじみと温かく、同級生であることが何とも誇らしいワタシ。
 
ということは、東京タワーも満61歳。
そうして、晴れの日も雨の日も風の日も雪の日も立ち続けてきたんだね。
おかげさまで、50年先どころか61年先も夕日はキレイです。
 
お疲れさま。そして、これからも頑張ろうね。
 
 
 
 
東京オリンピック2020が延期と決まりましたね。
 
第3作目の『ALWAYS三丁目の夕日’64』では1964年の東京オリンピックが盛り込まれていて、
開会式の日、五輪の輪が描かれた真っ青な空をみんなで見上げるシーンがあります。
 
いつかきっと、そんな晴れ晴れとした思いでオリンピック開会式を迎えられる日が来ること、
信じたいと思います。